やさしい企業会計 Vol.05 トライアングル体制と決算書

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
まず、すべての株式会社は、会社法の規定に従って、決算書を作成し、公開しなければなりません。またすべての株式会社は、税法の規定に従い、税務申告書と呼ばれる、決算書のようなものを作成し、会社法の規定に従って作成した決算書を添付し、税金とともに税務署に提出しなければなりません。

株式会社の会計を規定する法律

 株式会社は、少なくとも年に1回、決算書を作成し、公開しなければならないことはのべましたが、いったいどのような決算書を作成しなければならないのでしょうか。実は、株式会社の決算書として、何を作成すべきかは、会社法、金融商品取引法、税法という3つの法律によって規定されています。

 まず、すべての株式会社は、会社法の規定に従って、決算書を作成し、公開しなければなりません。そして、株式会社のうち、いわゆる上場会社は、会社法の規定に加え、金融商品取引法の適用を受けることになります。この場合、会社法の規定によるものに加え、証券取引法に基づく決算書を作成し、公開しなければならないことになっています。

?さらに、すべての株式会社は、税法の規定に従い、税務申告書と呼ばれる、決算書のようなものを作成し、会社法の規定に従って作成した決算書を添付し、税金とともに税務署に提出しなければならないのです。

 このように、株式会社の会計は3つの法律それぞれの影響を受けることになっており、このような体制をトライアングル体制などと呼ぶこともあります。

 

必ず作成しなければならない決算書

 金融商品取引法の規定が適用されるのは、いわゆる上場会社のみですから、一般的には、会社法の規定に基づく決算書を作成すればよいということになります。会社法では、決算書のことを「計算書類」と呼び、基本的な規定は会社法で、具体的な作成方法などは「会社計算規則」と呼ばれる法律で規定しています。

 株式会社が作成しなければならない計算書類は以下のとおりです。

(1)貸借対照表(公告が必要)

(2) 損益計算書(会社の規模によっては公告が必要)

(3)株主資本等変動計算書

(4)個別注記表

 さらに、上記 (1)から(4)の書類の明細である「附属明細書」と、会社の定性的情報を含めた文書である「事業報告」という書類を作成しなければなりません。

 それぞれがどのようなものであるかは、おいおい説明を加えていく予定ですが、一般的に決算書として説明されるキャッシュ・フロー計算書は、実は金融商品取引法の適用を受ける会社のみが作成すればよいのであって、すべての株式会社が作成しなければならないものではないことには注意が必要です。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める