やさしい企業会計 Vol.08 大きな支払いに備える

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
ビジネスにおいて「儲ける」とは、「利益」をあげることであり、そのためには、必要なコストを正確に把握する必要があることを、損益計算書の構造を前提に見てきました。 そして、ビジネスにおいて儲けるとは、コスト以上の売り上げを伸ばし、資金繰りをコントロールすることが大切なのだというポイントを各種の利益の発想により整理することができるのです。 ところで、売り上げと粗利についてのお話の際、損益計算書では5つの利益を計算する、と説明しましたが、これまで、売上総利益(粗利)、営業利益、経常利益という3つの利益まで登場しました。

4番目の利益「税引前当期純利益」

 実は4番目と5番目の利益も、ビジネスにおいて「儲ける」ということについて、非常に重要な示唆を与えてくれます。

 ビジネスで必要になる経費は、毎月のように発生する人件費や家賃だけではありません。時には何かの原因で訴えられ、損害賠償を支払わなければならないこともありますし、地震などの自然災害で何らかの損害が出る可能性もあります。

 そのような特別な事情によって生じる損害を、「特別損失」といいます。経営者は、このような特別な事情、言い換えればリスクに対して、常に対処できるようにしておかなくてはならないのです。

 逆に、不要になった工場設備などを売却したら、思いがけず儲かることもありますが、そのような儲けを「特別利益」といいます。

 経常利益に特別利益を加算して、特別損失を差引いた利益が第4の利益である「税引前当期純利益」となります。

 

5番目の利益「当期純利益」

 もう1つ、経営者が忘れてはならない経費、それが、税金です。

 会社は利益に応じて税金を支払わなければなりません。法人税は、利益に対して30%前後、その他、法人に対する住民税や事業税の支払いも必要になります。

 しかし、儲かったにも関わらず、お金がなくて、税金の支払いに苦労することがあるのです。なぜなら、利益と税金の支払いに、タイムラグがあるからです。例えば、3月に決算を終え、利益が出た場合、その利益に対する法人税は 5月末までに支払うことになり、2カ月のタイムラグが生じます。そして当然、この2カ月間も通常とおりビジネスを行いますから、利益分のお金を新たな仕入などに使ってしまうと、5月にいざ、法人税を支払おうとしたときにお金がない、という事態が起こったりするのです。

 損益計算書では、税引前当期純利益から法人税等を差引いて、第5の利益である「当期純利益」を計算します。この第5の利益まで念頭においておくことにより、会社の経費全体を把握し、税金の支払いという責任を果たした上で、本当に儲けることができるビジネスを構築していくことができるのです。

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