- 目次 -
海外取引にも自己責任の時代が到来
バブル崩壊後の不景気により、自己責任という言葉は、もはや日常用語になった気がします。老後の年金問題、株式市場の不安、 金融破たんなどが毎日のニュースで取り上げられたおかげで、自分のお金は自分で守る、自分の身は自分で守る。このような意識が浸透し、意識が向上したので はないでしょうか。しかし、私たちが日本の外に目を向ける時は、残念ながら「何とかなる」的な甘えが出てしまいがちです。日本の常識が世界の非常識になら ないよう、海外取引にも自己責任の意識を強く持ちましょう。
海外で生き延びる術は4つ
みなさんが日本国内で旅行をする時に準備することは何ですか?旅行先の決定、資金繰り、スケジュール調整など、ワクワクし ながらたくさんの情報を収集しますよね。海外へ渡航するときも基本的には同じなのですが、国内の場合とは事情が少し違います。具体的にどのような情報を収 集すべきなのかを見てみましょう。
(1) 治安情勢・危険情報の確認
世界の中 で日本は治安に優れた国のひとつです。日本のどこへ行っても、安全の度合いに差はありませんが、この国から一歩外へ出ると事情が変わるかもしれません。外 務省では、海外に渡航・滞在する方のための安全確保の情報を提供しています。渡航前の現地情勢を知るには、外務省の「海外安全ホームページ」を参考にして ください。このホームページの情報を理由に、渡航が禁止されることはありません。しかし、国が責任を持って提供している情報なので信頼はできます。
(2)現地の法律・規則の理解
現地の法律と規則の理解が足らなかったために、罰金・処罰されるこ とがあります。特に多いのがビザ(査証)の不手際による不法滞在や不法就労でしょう。査証を持っていても有効期限が切れていてもダメですし、有効期限が切 れていなくても適正な査証をもっていなければ、やはりアウトです!自分でよく分からないときは海外事情に精通している専門家に相談しましょう。
(3)外国通貨の持ち込み・持ち出し
国によっては外国為替の管理を厳しく制限しているところがありま す。例えば、中国では税関に申告を要しない外貨の持ち出し・持ち込みは一般的に5000USドルまでとなっています。日本円に換算すると575000円 (1ドル=115円)。思ったほど多い金額ではないのです。海外で頻繁に買い付けをする方は注意しましょう。知らずに現地で没収されるケースもあります!
(4)風俗・習慣・宗教の違い
私は幼いころからいくつもの国に住んでいたので、風習・習慣の違い に悩まされることが数多くありました。今はっきりと言えるのは、現地の風俗・習慣を受け入れる努力と理解する努力。これを怠らなければ現地に溶け込むこと はさほど難しくありません。これから海外取引をはじめる皆さんも、いつかは現地で滞在することになるでしょう。その時は「○○はおかしい」と考える前に、 自身の考え方をすこし工夫してみてくださいね。
次回か ら海外取引を成功させるための極意をお話します。いま話題の中国を中心に、成功している海外ビジネスを徹底解剖します。