Vol.4 輸出規制を知ろう!海外への技術提供は許可が必要

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
昨今の大量破壊兵 器の拡散やテロの頻発は、世界情勢の安定に大きな影響を及ぼしています。多くの海外貿易に頼っている日本経済において、決して対岸の火事ではありません。 一部の海外に輸出する製品については、たとえ民生用途であっても、外国為替および外国貿易法等に基づき、経済産業大臣の許可を受ける必要があります。

輸出に際して事前に許可を受ける必要性

 輸出する貨物 や輸出先によっては、輸出に際して事前に外国為替および外国貿易法(外為法)による許可を得る必要があります。これは、輸出される貨物が兵器などへの転用 や製造に用いられる恐れがあるかどうかを見定めるためです。

 許可が必要となる貨物の範囲は「輸出貿易 管理令」の「別表第1」に列記されています。この「別表第1」は、品目ごとに1項から15項までにそれぞれ示されている「リスト規制」と、用途に より規制する「キャッチオール規制」(16項目)の2種類から構成されています。

 許可の申請手続は、貨物と輸 出先の組み合わせによって、経済産業省安全保障貿易審査課または各地の経済産業局に対して行います。また、特定の技術を提供することを目的とする取り引き を行う場合にも、経済産業大臣の許可が必要となります。

 ここでいう「取り引き」とは、現実の技術提供のことなので、技術提供の申し込みや 契約行為自体は、「取り引き」ではありません。さらに、対価の有無に関係なく、技術の提供があれば取り引きがあったとみなされます。

【許 可が必要な技術提供かどうかの確認方法】

提供の相手方が・・・

●決まっているもしくは相手方の範囲が決まっている
   日本の居住者(*1)のみ → 許可は不要です。
  日本の非居住者(*2) → 技術の内容により許可が必要です。
  居住者・非居住者の混合 → 技術の内容により許可が必要です。

●決まっていな い → 相手方もしくはその範囲が決まった時点で確認します。

*1 居住者とは、次のいずれかに該当する場合です。

  (1)日本に住所または居所がある人
 (2)日本に主たる事務所がある法人
 (3)非居住者の本邦内支店、出張所その他の事務所

*2 非居住者とは、居住者以外の人と法人です 

 注意が必要なのは、提供者と相手方が企業、団体、大学、個人などどのようなものであって も、この取り引きの主体となることです。

 

外国ユーザーリスト (懸念品目リスト)の確認

 キャッチオール規制では、輸出者自身が、その貨物が大量破壊兵器の開発などに用いられる恐れがあるか どうかを判断しなければいけません。

 「外国ユーザーリスト」とは、大量破壊兵器との関連性が指摘されているなど、強く懸念されている企業 と団体組織についての情報であり、「懸念品目リスト」はリスト規制の対象貨物以外の貨物のうち、大量破壊兵器の開発などに用いられる恐れが強いものについ ての情報提供を目的にしたものです。

 しかし、外国ユーザーリストに掲載されているからといって、輸出が直ちに禁止されるものではありませ ん。用途や取引形態を総合的に判断し、大量破壊兵器などとの関係が明らかに存在しない場合は、許可申請をする必要はありません。

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