知的財産:Vol.04 三種の神器「商号」、「商標」、「ドメイン名」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
会社やお店の「ドメイン名」というと、ネットショップ以外では、商店名の価値意識に比べかなり低い位置づけであったと思います。しかし、最近では、商品名や商店名よりも重視される傾向にあり、会社やお店の名前とは切っても切れない関係なってきました。それだけに、「ドメイン名」の取得や保護が重要になっています。

ドメイン名の価値は日々上昇している

 近年のインターネットの急速な普及に伴い、インターネットを通した営業・販売・広告等のビジネス利用が拡大し、併せてドメイン名の価値が急速に上昇しています。このため、単なるアルファベットの羅列にすぎなかったドメイン名自体が、会社や商店の名前と同様に、社会的地位を得て、知名度や信頼という高い社会的価値を有するに至ってきているのです。その反面、著名なドメイン名に似通ったものを取得し本家の信頼にフリーライドしたり、取得したドメイン名を商標権者等に不当に高く買い取らせようとしたり、他人の信用を傷つけようとする者まで現れているのが現実です。
 

保護の歴史は決して古くない

 インターネットが普及して久しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、法律上でドメイン名が商号や商標と同じように直接的に保護されるようになったのは、そんなに古い話ではありません。平成13年12月に改正され施行された不正競争防止法によるものです。この不正競争防止法の第2条第1項12号で、不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為が、直接的に規制されることになりました。

 最近は、このような不正競争行為は減りましたが、どこの会社や商店でもマイ・ドメインを持つようになったため、新たな問題が出てきているのです。
 

商売の三種の神器

 これからビジネスを始めようとする方は、まず「商号」や「屋号」を考えると思います。そして、まずは類似商号の調査をして、社名を決めるのが一般的なのではないでしょうか。しかし、今やそれだけで社名や商店名を決められる時代ではないのです。その社名から容易に連想されるドメイン名を使おうと思ったら、すでに他人が使っていて登録できないケースが意外に多いのです。つまり、類似商号の調査と共に、類似ドメイン名の調査も必要で、場合によっては商号登記よりドメイン名の登録を先行させる必要があったりもします。無理に他人のドメイン名と似通ったドメイン名を取得して、他人から不正競争防止法を根拠に警告を受けるようでは困りものです。

 みなさんならもうおわかりだと思いますが、現代の商売の三種の神器は「商号」「商標」そして「ドメイン名」なのです。

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