知的財産:Vol.35 動物キャラクターに商標は認められるのか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
最近、犬や猫などの動物がテレビCMでメインキャストとして用いられ、成功する事例が増えています。また、そのキャストをイメージした販促グッズも用意され、販促の域を越えて商品化されているものもあります。では、動物のキャラクター保護は、どうなっているのでしょうか?知的財産の視点で、動物キャラクターを説明したいと思います。

保護の方法はいろいろ

 動物のキャラクターの保護を、知的財産の視点から考えると、非常に多くの保護手段が考えられます。もちろん、人の場合でも肖像権からはじまる保護方法があるのですが、人ではなく動物だからこそ、という保護もあり得るわけです。動物の場合の肖像権は、なかなか難しい問題を含んでいると思いますが、人ではないからこそ逆に制約を受けないケースもあるわけです。

 

立体商標

 まず最初に思い浮かべるのは、動物キャラクターを携帯のストラップにあしらった販促グッズあたりではないでしょうか。動物キャラクターをデザイン化して販促に活用すれば、その販促グッズは、れっきとした商標として機能することになります。その保護手段としては、立体商標が考えられます。動物キャラクターを立体的に捉えて商標権を得る方法です。

 

不正競争防止法

 動物キャラクターは、商標登録されていなくても、特定の商品の販促のために活用され著名になれば、動物キャラクター自体が商品等表示として機能することになります。その動物キャラクターを見れば、消費者はどの会社のどの商品やサービスのCMかをすぐに思い浮かべることができるようにまでなれば、その動物キャラクターは、その商品なりサービスの顔になるわけです。逆に、商品やサービスの顔となった動物キャラクターを、第三者が許可なく用いれば、消費者の出所の混同を招き、競業秩序を乱すことになりますから、不正競争行為として排除されるべきものとなります。つまり、動物キャラクターが不正競争防止法で保護される対象になることもあるのです。

 

意匠(動的を含む)

 動物キャラクターは、人形などの工業的に量産可能なデザインにすると、例えばキーホルダーや携帯ストラップとして、意匠法の保護対象の物品になり得ます。そして、その外形形状が保護対象になるのです。特に、テレビCMで用いられる動物キャラクターは、特定の仕草(動作)を伴うケースが多く、その仕草(動作)もデザインの一部分と捉えて、動的な意匠(デザイン)として、意匠登録を受けることができるケースもあります。

 

特許

 特許法では、原則的に人間を対象とする発明は保護の対象にはなりませんが、動物の場合には、保護対象になります。ですから、動物キャラクターにまつわる発明を特許権で保護することも不可能ではないのです。ただし、キャラクターという意味合いからは、発明と認めにくいため、難しいと思います。

 

著作権

 動物キャラクターを、デザイン化すれば、著作権が発生する可能性が非常に高いといえます。そして、平面的にデザインされたものを、人形などにすれば、二次的な著作権も発生します。マンガのキャラクター同様に、動物キャラクターも著作権での保護を積極的に活用していただけたらと思います。

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