知的財産:Vol.38 知的財産で考える。生キャラメルが売れた理由。

知的財産
食の安全に対する不安が蔓延する中、一方で、爆発的に人気を博している食品がたくさんあります。その代表格が、生キャラメルなのではないでしょうか。食の安全が揺らいでいる今、「花畑牧場」を中心に生キャラメルが爆発的に売れるのは何故でしょうか?そのあたりを、知的財産の感覚で捉え、説明していきたいと思います。

ブランド(商標)の消費者に及ぼす機能

ブランド(すなわち商標)は、消費者に対して、どのような印象や効能・効果を持って受け入れられるのでしょうか?そのブランドの機能を最大限に活用することで、商品の売り上げの可否がおのずと見えてくるのです。代表的なブランド(商標)の機能は4つあります。

 その4つとは、

・「品質・質保証機能」

・「出所表示機能」

・「自他商品・サービスの識別機能」

・「広告・宣伝機能」です。順を追って説明していきましょう。

 

 

品質は?(品質・質保証機能)・誰が作ったの?(出所表示機能)

 まず、生キャラメルのような食品を考えた場合、品質・質保証機能と出所表示機能が重要になります。「白い恋人」「赤福」「不二家」・・・これら食品関連で問題を起こした企業(ブランド)は、そのブランドが持つ品質のイメージを、自ら壊してしまったわけです。そして、「あ~、あの会社のお菓子は、全部信用できないよね。」と、事故を起こした商品だけではなく、その会社の商品全体から消費者が一気に離れていったわけです。これは、同じブランドの商品は同一の出所から出ていることを示す具体的な例といえます。


 逆に、誰がどのような品質の商品を提供しているのかがはっきりした商品が登場すれば、実績はなくとも、すぐに事故を起こした企業の商品の市場の穴を埋めることができるわけです。この典型的な例が花畑牧場の生キャラメルだったのではないでしょうか。
 千歳空港のお土産屋さんがかなりのスペースを割いて販売していた「白い恋人」が一夜にして消えたわけですから、当然お店だって代わりの商品をすぐに用意しないといけなかったはずです。そこで、店頭に登場したのがこの生キャラメルだったようです。
 

 この品質・質保証機能とは、同じブランド名のついた商品は、同じような品質・レベルの商品であることを示す機能で、消費者の商品に対する質の期待度を満たすための機能とも言えます。例えば、「花畑牧場」の生キャラメルは、これだけの品質で、こんな味のはずだ、だから買おう!といった品質・質の目安であり、安心感のようなものであり、やはり食品の場合は、味に対する消費者の期待を裏切らない目印といえます。但し、品質・質はある一定水準であることを、客観的に保証するものではありません。レベルは定かではないが、いつも決まった水準にはあるはずだ、というような意味合いですので、勘違いしないでください。

 

どこの会社の生キャラメル?(自他商品・サービスの識別機能)

 ブランドには、自社の商品やサービスと他社の商品やサービスとを区別する機能があります。生キャラメルも今や何社かが販売し、「どの生キャラメルがおいしいの?」ということがまずは問題になるのです。その「どの?」と言う部分で、ブランドが生キャラメルごとの「目印」として機能するのです。これは、当然ですね。

 

やっぱり話題性でしょ?(広告・宣伝機能)

 ブランドのマークや音の響きは、繰り返し目にし、繰り返し聞くことで、消費者の記憶にインプットされていきます。そして、定着した記憶は、忘れられないものです。何しろお客さんに覚えてもらわないと始まらないわけで、ブランド名を繰り返し使うことで、宣伝・広告の効果が倍増すわけです。商品とその商品の名前が、テレビで取り上げられた時のインパクトは、かなり大きいと思います。そして、消費者は、その商品の名前を手がかりに商品を手に入れるばく、売っているところを探し始めるのです。

 生キャラメル=「花畑牧場」という式が、既に皆さんの頭にインプットされていませんか?

 

話題になった花畑牧場の生キャラメルを知的財産の観点で、考えると「売れる」ための要素がすべて盛り込まれていることがよくわかります。

その他の商品もこんな観点で、見続けていきましょう。