知的財産:Vol.45 あなたのアイデアの値段はこうして決まる。

知的財産
商品やサービスのアイデアを思いついたんだが、自分では実現できない。そんな方も多いのではないでしょうか?反対に、良いアイデアがあったら、お金を払ってでもそのアイデアを活用したい、という人もいると思います。そこで気になるのが、そのアイデアのお値段。アイデアの値段はどのようにして決まるのか、またその概要、留意点などについて説明します。

ライセンス料の落とし穴

ライセンスの許諾を求める側から提示のあった実施料が、あまりにも低くてがっかりして当方の事務所に相談に来られる方が、最近多いです。相談の一例としてこのようなものがありました。

 アパレル関係の方が、衣服にワンポイントの細工を施した商品を老舗メーカーに提案したところ、採用にまでこぎ着けた事例です。

私の相談者である権利者は、1年間に90万円のライセンス料を期待していたのですが、相手方の提示額は、なんと45000円だったのです。
 表でおわかりだと思いますが、計算式自体が両者で異なるのです。
  権利者のライセンス料=売り上げ×ライセンス率
  実施者のライセンス料=売り上げ×アイデアの売り上げに対する寄与度×ライセンス率

 権利者は、アイデアの売り上げに対する寄与度を計算に入れていなかったわけです。
 一般にはライセンス料率の高い低いを気にされると思いますが、実は、ライセンス料率よりも、そのアイデアの売り上げ予想に対する寄与度の方がはるかに重要で、全体に大きく影響します。
 よくよく考えていただければわかると思いますが、例えば、その商品のCMに人気タレントを起用する予定があり、CM効果で売り上げを狙う場合、アイデア自体はあまり売り上げに寄与しないと予想されるわけです。

アイデアの値段って決めようがないのでは?(妥当なライセンス料とは?)

 正直、アイデアの値段は、客観的には決めようがありません。
 契約時点で、そのアイデアでどの程度儲けることができるか、予想が付かないからです。とはいえ、アイデアも知的財産ですから土地や家屋と同じように財産評価により、値段を決めることになります。その手法としては、経済産業省方式、弁理士会方式といったように、いくつかが提案されています。ただ、通常の契約交渉においては、過去の契約の経験則から大まかに決められているのが実情で、その基礎となるライセンス料率の経験値が、発明協会が発行する「実施料率」という本にまとめられています。
 

とかく感情的に・・・

 上述しましたが、アイデアの値段は客観的な判断基準で、論理的に且つ選択的に決められるべきもので、感情的に決めるものではありません。ただそこに、『捕らぬ狸の皮算用』的な考えが作用することで、正しい判断を狂わせてしまっているのです。感情的な判断は、事業の成功をも左右しかねない危険な要素を含んでいますので、下手な皮算用はしないように心がけていただきたいと思います。必要に応じて、金銭的計算が可能な弁護士や、会計士に相談することをオススメします。