Vol.1  AISASはもう古い? 次世代プロモーション方程式「AISCA(アイスカ)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

上場企業から著名人・中小企業・飲食店まで手掛けるプロが語る
Facebookプロモーションのコツ

■はじめに

 最近、名刺交換の際に「Facebookやってますか?」と聞かれたりしませんか?

 ビジネスでFacebookを活用しようというセミナーも各地で行われていて、ユーザー層もビジネスにおける関心も、かなり広がってきていると感じています。

 実際に、日本でのユーザー数も増えてきており、日本国内のユーザーは1000万人を突破しているというニュースもありますが、実に日本人の10人に1人が使っている計算です。ビジネスとして考えれば、ターゲット層によっては4人に1人は利用しているのではないでしょうか。これはもう無視できる数ではないことは理解できると思います。

  ただし、大きな期待を持っておられる方には申し訳ないのですが、「Facebookをはじめれば簡単に売上がアップします」とは言い切れません。

 では、いったいなぜFacebookがビジネスにおいて注目されているのでしょうか? 予算の限られた中小企業や店舗がFacebookを活用して得ることができる効果とは、どのようなものでしょうか?

 有名タレントから中小企業・店舗まで、Facebookの活用支援をさせていただいている経験をもとに、Facebookプロモーションのコツを、私が考え出した次世代プロモーション方程式「AISCA(アイスカ)」という概念を用いて紹介します。
 

 

■Facebookプロモーションの特長

 まず、Facebookの効果を一言でいうと、認知の拡大です。今まで自社のことや商品・サービスを知らなかった人に、知ってもらうことができる…。ただし、これだけでは従来の折込チラシやその他の広告などでも同じです。では、Facebookの特長とは何でしょうか?

初期コストをあまりかけないという前提で(開発費などがかかるFacebookアプリケーションは除外して)、シンプルに3つの特長をあげます。

①商品やサービスに興味がありそうな人だけにアプローチできる(ターゲティングした広告配信)
②ページにいいね!をしてくれた人のニュースフィードに、情報発信ができる(タイムラインでの投稿)
③ファンからその友達に情報が広がる仕組みがある(投稿に対するいいね!やシェア)
※以下、「ファン」とは、「ページにいいね!をしてくれた人」という定義で使用します

■特長1. ターゲティング可能な広告配信

 Facebookは、基本的に実名・実写真・実際の情報を入力して利用するSNSです。ビジネスでの活用の大きな特長の一つが、この情報をもとにターゲティングしたユーザーのみに、自社の広告を配信できるということです。広告料もクレジットカードだけで決済でき、数千円程度からスタートできます。

 ターゲット設定可能な項目は以下のようなものがあり、自社商品やサービスに関連するものを趣味・関心に登録している人に配信したり、ファンの友達にだけ配信したりすることで、ページにいいね!をしてもらいやすいことが分かっています。

 ターゲット設定可能な項目は以下のとおりです。これだけ精密にターゲット設定できて、数千円から使えるメディアは、これまではありませんでした。

  • 居住地
  • 年齢
  • 性別
  • 趣味・関心
  • つながり(ファンの友達など)
  • 恋愛対象
  • 交際ステータス
  • 言語
  • 学歴
  • 勤務先

 ちなみに、ターゲット設定をファンの友達のみにした場合、趣味・関心で指定した場合、地域で指定した場合により、CTR(クリック数/インプレッション数)で3.7倍、いいね!率(いいね!数/クリック数)で1.5倍の差があります。

(1) CTR(クリック数/インプレッション数)
      ファンの友達のみに設定した場合と地域で指定した場合で、3.7倍の差

 

(2) いいね!率(いいね!数/クリック数)
      ファンの友達のみに設定した場合と地域で指定した場合で、1.5倍の差

 

■特長2. タイムラインでの投稿と広がる仕組み

 これは、以下の図を使って説明します。

 1のファンに向けて情報発信というものが、タイムラインでの投稿です。ここがかなり重要で、ファンの心に響くもの・役に立つもの・面白いものなどでないと、2以降の広がりが生まれません。 

 たとえファンが少ない初期段階でも、パソコンに向かって投稿するのではなく、ファンに向けて話しかける心づもりで投稿してほしいと思います。

 飲食店であれば素材へのこだわりや1品1品の料理へのこだわりを、伝統技術をいかした製品であれば先祖代々受け継いでこられたものを、新しいサービスであればそのサービスができるまでにどんな紆余曲折があったのかなど。

 それぞれの思いやストーリーを語ってほしいと思います。私がクライアントと打ち合わせする時でも、まずはクライアントに自分自身のことを語ってもらうようにヒアリングし、一緒に投稿する内容の企画を行っています。

 また、投稿内容のテーマを週別や曜日別などで決めておき、定期的に投稿することを習慣化する工夫も大事です。このように、ファンにとって魅力がある投稿が増えてくると、ファンが投稿にいいね!やシェアをしてくれて、2のようにファンの友達に投稿が広がるようになります。それを見た友達の中から興味を持った人がページにくる、という3の段階に進み、いい循環になっていきます。

■特長3. ファンからその友達に情報が広がる仕組み

 ユーザーとしてFacebookを利用していると、「●●さんが■■さんの写真についていいね!と言っています」という情報や、「●●さんが■■さんの投稿をシェアしました」という情報が流れてくることが頻繁にあります。これは、友達がいいね!・コメント・シェアをしたことを知らせるものですが、情報を発信する側として考えると、いいね!・コメント・シェアが増えれば増えるほど、このようにクチコミで情報が拡散していくということです。

 近況や写真・動画の投稿は、いいね!・コメント・シェアで情報が拡散していきます。投稿の内容を工夫することは、ファンへのメッセージ性を高めるだけでなく、そこから広がりを生むためにも非常に重要です。

 その他の情報が広がる仕組みとしては、イベント・クエスチョン・クーポンといった機能があります。

 イベントは、文字とおりイベントを告知するための機能で、日時や場所、詳細を記載してファンに告知し、参加可否を聞くことができます。ここで、ファンが「参加する」と返答すると、そのファンの友達に「●●さんが■■に参加する予定です」と情報が広がります。

 クエスチョンは、簡単なアンケートができる機能で、質問と回答を用意してファンに聞くことができます。こちらも、ファンが回答をすると、そのファンの友達に「●●さんが■■に▲▲と回答しました」と情報が広がっていきます。

 クーポンは、ファンに特典を与えることができる機能で、ファンは「入手する」ボタンを押すだけで、Facebookに登録しているメールアドレスでクーポンを受け取ることができます。こちらも、ファンがクーポンを入手すると、そのファンの友達に「●●さんが■■さんのクーポンを入手しました」と情報が広がっていきます。

 ここまで情報が広がる仕組みを説明してきましたが、いったいどのくらいの人に情報が広がったのだろう?と知りたくなると思います。Facebookのインサイトという解析機能では、投稿ごとに見た人の数を知ることができます。また、クチコミで広がった数も把握できるので、どのような投稿がファンに喜ばれて広がるか、効果を見ながら運用することが可能です。

■次世代プロモーション方程式 AISCA(アイスカ)

 Facebookプロモーションの効果は「認知の拡大」、と書きましたが、ここまでご説明してきましたとおり、その方法はFacebook特有のものがあります。趣味・関心やつながりでの広告配信、ファンの友達に広がる仕組みがあり、そこに思いやストーリーを投稿することで認知が広がっていく、ということです。

 これを、よくマーケティングで使われるAIDMAやAISASなどの言葉で表現すると、以下のようなイメージになります。

 これは私が定義した新しい概念です。注目してほしいのは、AISASではActionの後にあったShareが、Actionの前にあることです。コンバージョンに至る前の段階で、ページへのいいね!や投稿へのいいね!、シェアによって、情報が共有されるのです。

 ActionにつなげるためにはファンとのCommunicationが必要ですが、もっと早い段階でShareされることにより、認知が拡大するということです。ただFacebookをはじめれば売上がアップする、ということはありませんが、Attention・Interest・Shareを循環しながら、ファンとCommunicationし、Actionへつなげることで、売上や集客につながるのです。

 友達がおススメしているものは信用度が高くなる、という心理もあり、実際に実店舗を運営されている私のクライアントでも、問い合わせ数やクーポン利用数が増えてきていますし、他社の調査結果でも売上につながったというものも出てきています。

 論より証拠。次回のコラムでは実例を紹介しましょう。

Vol.2へ続く

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