資金調達(融資)のノウハウ Vol.13 実務に生きる日時資金繰り表の作り方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

今回作成する資金繰り表とは、前回ご説明した月次をさらに推し進めた日時の資金繰り予定表なのです。
 

           日時資金繰り予定表の作り方
                  ↓
   翌月の現金出納帳・預金出納帳を先取りして合算して作成するだけ!

経理担当の方とといっしょに、過去3カ月ぐらいの通帳を見ながら毎月の流れをつかんで
7月分の予測をして見ましょう。

タケダ商事 7月分日時資金繰り表詳細

日時 内容 入金 出金 残高
 7月1日 前月よりの繰越残高     380
7月1日 小口現金引出   30 350
7月5日 リース料支払   20 330
7月10日 買掛金支払   250 80
7月10日 源泉税、住民税支払   20 60
7月15日 その他経費支払   50 10
7月20日 借入返済   50 -40
7月20日 リース料など経費   80 -120
7月20日 買掛金支払   400 -520
7月25日 売上回収 300   -220
7月25日 買掛金支払   200 -420
7月27日 人件費支払   280 -700
7月30日 売上回収 300   -400
7月30日 買掛金支払   50 -450
7月30日 経費支払   20 -470
 7月31日 翌月繰越残高   -470  

 とまあこんな感じになりました。まさに家計簿そのものですよね。ここで、この資金繰り表の本当の必要性・意味合いが表現されています。

 ちなみに前回作成した月次資金繰りの結果ととりあえず一致する(月末の残は-470円で一致)。だけどなぜか、7月27日の人件費を払う段階では700円のショートになっています。ということは、資金調達を470円したとしても230円足りないわけです。

 つまり、資金調達必要額は700円だったわけです!日時資金繰り表をつくって良かったー!

 このようなことはどのような会社でも多々あります。では、どの程度の手元資金が必要なのか・・・・・・・

 零細中小企業の手元資金は非常に脆弱で、本来であれば一カ月分ぐらいの売上高に匹敵する残高を安定的に手元に置いておくことが可能であれば良いのですが、私の見る限りほとんどの会社が上記のようなすれすれの資金繰りなのです。

 どのような会社でも経費の支払い、人件費の支払額は毎月ほとんど変動がないため大きくぶれてくるのは売り上げの回収と買掛金の支払額なのですね。

 さぁ大変だ!
 上記の資金繰り表だと、7月20日から資金がショートし始めますから20日までに資金調達が必要となります。しかも20日の資金ショートは借入の返済からだから、銀行との取引の重要性を考えると、なんとしても返済もしないとなりません。
 

     仮に今日が6月20日ですからそれまで丁度1カ月しかありません。

            いえ、1カ月もあります!

 さあ、この間にどのようなアクションを起こすか!ここからが、経営判断ということになるのです。次回から、その一カ月間に何ができるかを検証したいと思います。

 といったように、資金繰りを細かく見てゆくと、資金の流れが良く分かります。このような資金繰り表をパソコン等で3カ月ぐらい先まで作成しておけば10日後にお金が足りない!というようなことはなくなるはずなのです。

 

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