資金調達マニュアル 2-1:民間金融機関からの融資を検討する

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

次に民間金融機関からの融資を得る方法について見ていきたいと思います。

民間金融機関には以下の種類があり、それぞれ特色がありますので、簡単に解説していきます。
 

都市銀行とは

都市銀行(略して都銀とも言う)は、大都市に本店を構え、全国展開している普通銀行。
特に、その中でも規模の大きい銀行をメガバンクといいます。
都市銀行は大企業、中小企業、個人などと幅広く取引をして、また大規模な投資、国際業務も行っています。
 

地方銀行とは

地方銀行(略して地銀とも言う)は、各都道府県に本店を構え、各地方を中心に営業を展開している普通銀行。
都市銀行のように大口取引は少なく小口取引が主体で、取引対象は地元の中小企業や個人がメイン。
中小企業に対し細やかに対応していることから、中小企業にとっては重要な資金調達先となっています。
 

信用金庫とは

信用金庫(略して信金とも言う)は、会員の出資による協同組織の地域金融機関。
営業地域は地元の一定の地域に限定されていて、その地域の中小企業や個人のための専門金融機関です。

信用組合とは

信用組合(略して信組とも言う)は、組合員の出資による協同組織の法人で、組合員の相互扶助を目的とする非営利の金融機関。
組合員が預金した資金を組合員が必要なときに利用するシステムで、預金の受入れと貸付けが組合員に限られているところに特徴があります。
組合員になれるのは、信用組合の営業地域の在住者、在勤者、事業所所有者です。

それぞれの特徴は

資金調達という視点でそれぞれを比較すると以下のような特徴があります。

まず、都市銀行・地方銀行は株式会社であり、株主利益が優先され、利益を最大限に追求する経営形態となっています。
これに対して、信用金庫・信用組合は地域の住民や中小企業が利用者や会員・組合員となって互いに地位の繁栄を図る相互扶助を目的とした共同組織の金融機関です。
そのような性質から、信用金庫は、利益第一主義ではなく、会員・組合員である地域社会の利益が優先されます。

そのようなことから、信用金庫・信用組合は、地域社会の中小企業や個人などに広く融資し、
地域社会の発展に尽力する組織であり、一般的には都市銀行・地方銀行よりも融通の利いた融資をしてくれる可能性が高く、
また貸し渋りが少ない、返済も都市銀行・地方銀行よりも猶予をくれたり、企業の資金余力だけでなく、
将来性や社長の人柄や企業の伸びしろを見てくれるというような特徴があると言えそうです。

また、小口顧客を対象としているため、営業担当者がこまめに訪問してくれるなど小回りの効いた動きを期待でき、
顧客企業が危険なときに力になり、温かく見守ってくれるというような特徴があります。

逆に、信用金庫・信用組合は、都市銀行・地方銀行ほどの資金量がありませんので、
大規模な融資や国際展開には対応できないこともありますし、
資金量の違いから調達コストが大きいことも影響して金利も都市銀行・地方銀行より高いのが一般的です。

小口の融資をしてくれやすいという面では、一般的には以下のような順序になります。

信用金庫・信用組合 > 地方銀行 > 都市銀行

融資の金利が有利(低い)という面では、一般的には以下のような順序になります。

都市銀行 > 地方銀行 > 信用金庫・信用組合

もちろん、個別の金融機関の個性や個々の案件、会社の信用等の個別の事情により違ってきますので、上記はあくまで一般論として捉えていただければと思います。

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