Vol.21 インターネット初心者が始める「グルメ通販」の落とし穴

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
今年1月より、 オープンに向けてプロデュースしていたお店があります。そこが、紆余曲折をしつつ、ようやくオープンすることができました。今回は、ちょっとその苦労話 を。

まず、つまづくのは・・・

 とある友人店長から 紹介を受けたのが、昨年暮れ。

「惣菜をインターネット通販したいと言ってる知り合いがいるんだが、一度会ってやって欲しい」

東 京駅の喫茶店でお会いしたお二方。伺うと、

「インターネットはまったくわかりません。息子はメールとかはわかるらしいですが・・・」

  という、なんとも頼りない答えが。

「まずは、メールのやり取りから慣れましょう」

 と、不安を抱えたものの、一応契約を交わ し、まずは商品作りからということで、試作品を送ってもらうことにしました。

 私のコンサルティングの手法は、ネット ショップさんの場合、基本的に連絡はすべてメールを使います。それも、メーリングリストという形で、すべての履歴を共 有することにしています。

 電話では「言った」「言わない」というトラブルが発生する可能性もありますし、時間 帯なども難しくなります。加えて、これからネットショップをやる、ということは、お客様とのやり取りはすべてメールを使うわけですから、その訓練のために もメールでのやり取り、すなわち「文章でのやり取り」に慣れてもらう必要があるわけです。

 まず、ここでつまずくのが「キーボード」。慣れ ないキーボード操作では、短いメールを打つのでも、相当の時間を食ってしまいます。
「電話すれば早いのに!」と、短気を起こされてしまいますが、 そこはトレーニング。昔流行った、「北斗の拳」などの、トレーニングソフトは今でも販売されています。私もそれで「あたたたた・・・!」と、トレーニング したものです(笑)。

 ぜひ、好みのタイプのトレーニングソフトを見つけて、キーボードに慣れてもらいたいですね。

 

保健所とのやり取り

 通常、飲食店を営業しているお店が、そこの厨房で作ったも のをパック詰めして販売するのは、違法とされています。パック詰めして販売をするには、「製造業」としての許可が必要になります。お弁当・惣菜販売の店の 場合は、基本的に「製造業」ですので、この許可の部分はクリア。しかし、保健所の許可の基準は、そのエリアごとにまったく異なる基準を持っているのです。 ですから、新規にネット通販を始めたい場合は、必ず保健所に行って、必要な許可をとってから始めるようにしてください。

 とはいえ、相手は お役所、融通のきかないことも多々あります。裏貼り(商品に貼ってある、賞味期限や製造元などが書かれたシール)に関しても、こまごまとチェックが入った ようで、お店としたらかなりのストレスだったようで。何度も何度もダメ出しを受けて、ようやくOKが出たのでした。

 現実的には、許可なし で運営をしているところも多々あると聞いています。許可が必要なことを知らずにやっているところもあるかと思います。通常、惣菜などを作っている厨房で 「菓子・デザート」「漬物」は、製造することができないことになっています。これは、意外と知らない方が多いです。自社の商品をもう1度見つめ直す必要の ある方、たくさんいそうですね。

 

そんなこんなで、一応オー プン

思いのほか商品開発に時間がかかり。(というのも、ことのほか業務連絡が取りづらかったこともあり)なんとか、オープンにこ ぎつけました。

○手作り惣菜の店 知味房(ちみぼう)
http://www.rakuten.co.jp/chimibou/

  当初はYahooショッピングでの出店を考えていたのですが、どうやら出店担当者とのやり取りがうまくいかなかったらしく出店できず、結局楽天での出店と なりました。

 この2つのモールの差は歴然。キーワードは、

○楽天:安売りセール、ポイント、メルマガ○Yahoo:検索

と いうこと。

 つまり、楽天の場合は、どんどんメルマガを書いてセールをやり、売り上げを作っていくのが主。お客様も、安売りを期待して集 まってくる方が多いです(もちろん、すべてではありませんが)。

 反対にYahooのお客様は、どちらかというと「自主的に来る方」が多い ようで。元々が検索エンジンなので、お客様は欲しい商品を自分で検索して見つけ出し、購入につながる、という流れが主流のようです。

 イン ターネットが不得手なら、メルマガを書いて一生懸命売り込むよりは、必要なキーワードで来たお客様を取り込む方がいいかな、と思ったのですが・・・。とも あれ、出店したからにはしっかりとターゲットを見据えて、売りをかけていこうと思っています。

 こちらのお店のターゲットは「男性」「30 代以上」「お酒を飲む方」と設定しています。お惣菜ですから、通常ですと「主婦層」「女性」というターゲットになりそうなところなのですが、あえてそれを 避けました。

 その理由は、

○大量生産ができない○手の込んだ料理が多い○女性は購入単価が低い

と いうところにあります。

 狭い設備での少量生産販売ですので、安売りしていては売り上げが立ちませんし、手間ばかりかかって報われない結果 になりそう、と予想したからです。

 加えて、こちらの商品が、実に本格的でおいしい、というところにも端を発します。ことこと煮込んだ「牛 肉のビール煮」など、ちょっと高級なビストロで食べるお味なのです。新鮮な海老を使った「シーフードマリネ」や「ごぼうのポタージュ」。「ビーフカレー」 に至っては「この値段で出していいの?」というくらい、手が込んでいておいしいんです。でき上がりに「7日間も寝かすカレー」なんて、聞いたことがありま せん。
これがパックで、自宅で簡単に食べられるなんて、「子供にはもったいない!」という感じで(笑)。

 せっか くですから、コンセプトを「お酒に合う」をテーマにページ制作をし、「夫婦二人で楽しいディナータイム」を想定して、サイトを構築しました。こ の策が、吉と出るか凶と出るか。今から、楽しみでワクワクしているのです。

 

 というわけで、短い間でしたが、このコ ラムを最後に、私のファーストナビは終了となります。購読していただいた皆様、どうもありがとうございました。

 またどこかで、お目にかか れる日を楽しみに!

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