起業アイデア 第2回 学習テーマ【事業アイデアの探し方】

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

いいアイデアとは、自分の強みを複合させた発想のこと

解 説

【モデルケース】

花崎あゆみさん(28歳・仮名)は、1年間フラワー教室に通い、ついに憧 れのフラワーショップをオープンした。近隣に同業店もあったが、彼女は教室で学んだフラワーアレンジを前面に出す戦略で差別化を図り、見事に経営を安定さ せた。そこでもう一歩業績を伸ばそうと、新規事業を開始する。その事業内容なら、スペースの問題もないし、失敗の危険性も低い。さて、花崎さんの新規事業 とはどんなビジネスだろう?

【座学編で学んだこと】

花崎さんが新たに始めたの は「フラワー教室の経営」である。彼女は、フラワー教室を始められる「ハウツー」と「スペース」と「仕入れ先」とをすでに持っていたのだ。教室通いを通じ て、「どう教えれば素人がアレンジをできるようになるか」をつかんでいたし、自分の作業用に設けたスペースが教室になる。そして「ショップで扱う商品」も 「教室で扱う教材」も同じ卸元から仕入れられるわけだ。

事業アイデアとは、何もかもが突然にひらめいて出てくるようなものではなく、すでに 自分の中にある、いくつかのキーワードが結び付いて形になるもの。「通学経験」「作業用スペース」「毎朝行く仕入れ先」。彼女の頭の中にバラバラと存在し ていたこれらのキーワードがくっついて、「そうか! 自分で教室をやればいいんだ」というアイデアに行き着いたのだ。

どんなに画期的なアイ デアも、それを事業化するのが困難では意味がない。発想した事業を、自分が「できる」、そして「やりたい」と思えることが絶対条件。つまりいい事業アイデ アとは、何よりも、自分の強みを生かせるアイデアのことである。そして、自分の中にバラバラに存在するさまざまな強みをひとつに結び付けたものが、最高のアイ デアなのだ。

【実践編で学んだこと】

モデルケースにならって、「この強みと あの強みを足せば、こんな事業を起こせる」というアイデアを考えてみた。実際にそれを行うためには、前提として、自分がどんな強みを持っているかを認識し ている必要がある。だから、業務上の強みだけではなく、趣味や人間関係、持ち物、昔の特技など、「使おうと思えば使える」あらゆる財産を丹念に洗い出して おくことが大切。その結果、一見、関係が希薄に思える「強み」同士が結び付き、事業アイデアのもとになっていくのだ。

実際、こんなアイデア が寄せられた。「カフェ勤務経験と趣味のミステリーを掛け合わせてミステリーカフェを開業する」。カフェにもうひとつ強みを加えて、先行する業態と差別化 を図る発想になっている。このアイデアのように、それぞれはポピュラーな存在でも、それを掛け合わせた瞬間、「今までにない面白さ」が生まれてくるのであ る。

カフェに限らず、業界大手や先行企業が居並ぶ分野での起業を考えるなら、差別化は生命線。そしてそれを実現する近道が、「自分が持って いる強みを複合させたアイデア」を発想していくことなのだ。


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「一粒で何度もおいしい」を追求せよ!

自分が「できること」や「持っているもの」のことを起業資源と呼 ぶ。この資源を複合させることが、実現可能かつ差別化された事業アイデアを発想するコツである。そして、事業アイデアがひとつ完成したら、今度はそのアイ デアを、想定できる限りのターゲットごとに、少しずつアレンジしてみることが必須だ。

モデルケースの花崎さんは、同じ資源を活用して、「花 を買いたい人」と「花をアレンジしたい人」の両方を獲得した。同一の資源で2つの事業を営めるのだから、これは「1粒で2度おいしい」アイデアである。で は、3度おいしくはならないか? 例えば「花を売りたい人」はどうだろう? 花屋が花屋に花を卸すのではない。装飾関係や料理関係に花を使う人を狙う。あ るいは従来、花を組み合わせていない商品に対して、花との組み合わせを提案することもできるだろう。狙えるマーケットは他にもたくさんある。

誕 生間もない起業家が、同時に何種類ものビジネスを営むことは困難だし、むしろそれは、パワーの分散と労力やコストの増大を招くだけに、避けるべき選択であ る。だが言うまでもなく、「たったひとつのお財布」だけをアテにしているのも危険である。だから、「一粒で何度もおいしい戦略」が有効なのだ。投資や手間 を最小限に抑え、複数ターゲットに手を掛けることでリスクを低減し、同時に利益の幅を厚くしていく。これが新進起業家の必勝パターンだと心得てほしい。

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