起業アイデア 第6回 学習テーマ【事業領域の策定】

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

内的要因と外的要因をしかっり結びつけること

解説

【モデルケース】

板前歴20年を機に独立を決意した酒本竜馬さん(41歳・仮名)は、事業計画 作成法を学ぶ中でSWOT分析を知る。内的要因(自分の強みや弱み)と外的要因(業界を取り巻く機会や脅威)を書き出し、それらを評価・比較して、進出す べき分野を策定する方法だ。この作業への取り組みが功を奏し、「資金が少なく、小さい店しか借りられない。それだと厨房が貧弱で料理の幅が狭くなってしま う」という悩みも一挙解決。酒本さんの店は、小さいながらも大人気店となった。さて、酒本さんは一体どんな店を出したのだろう?

【座学編で学んだこと】

酒本さんは料理店の代わりにバーを開業した。これが答え。より正確には、 「品数の少ない料理店」をやめ、「料理が充実したバー」を開業した。同じ品数でも、業態が変われば評価も大きく変わる。

酒本さんはSWOT の「強み」に「酒に詳しい」と書き込んだ。一方、弱みには「資金不足」を。また、「機会」には「ヘルシー志向」、脅威には「高級料亭の不人気」を書いた。 すでに「弱み」からは、「自分ひとりでやる」方向が導き出されている。一方、機会や脅威は、和食を肯定しつつも高級業態には否定的。SWOT分析の結果を 見れば、「酒をメインにして和食を出す小さな店」という答えは、半ば自動的に得られる。
さらに、そこからバーという業態に行き着けたのは、「資 金不足で、厨房も設備も貧弱な物件しか借りられないはずなので、それでも運営できる飲食業態を考えた結果」である。「弱み」も事業領域を探る貴重な情報な のだ。

自らのキャリアを生かして独立しようとする人は、えてして内的要因に偏重して事業領域を決定しがち。一方、有望市場を求めて起業しよ うとする人は、反対に外的要因に偏重して事業領域を決めてしまいがちである。いずれも、そのまま突っ走ってしまうと、後で苦しむことになる。得意でもニー ズがない事業、ニーズがあっても不得意な事業。どちらも行き詰まるのは目に見えている。内的要因と外的要因をしっかり結び付けることが起業を成功に導く基 本である。
 

【実践編で学んだこと】

酒本さんのSWOTを少し変えてみた。 新たなSWOTは、強み=和食調理技術。弱み=資金不足&酒の知識がない。機会=ヘルシー志向。脅威=高級料亭の不人気とする。このSWOTを分析して、 酒本さんがどんな飲食店のオープンを目指せばいいのかを考えた。

SWOT分析の結果、弱みが弱みにならない事業領域を探すことも大切だが、 自分の強みを、外的要因である「機会」と結び付けることも重要である。ここでは「和食調理技術」と「ヘルシー志向」を結合させた事業内容が求められてい る。その視点で発想すれば、「本格和食ヘルシー弁当」や、それの「宅配バージョン」、あるいは「デリ開業」などが浮かぶ。さらには要介護向け給食サービス もイメージできる。

ただし、酒本さんは飲食店を開きたいと思っている。「やりたい」は「できる」と同等の重要な領域決定要因である。もっと も、「どの土地で飲食店を開きたい」とまでは限定していない。ヘルシー志向のアメリカ人を対象に、彼の地で開業することも可能である。

ま た、舞台を国内に戻してもいろいろ考えられる。「弱み」をカバーする酒販店との提携、「機会」を取り込むフィットネスクラブなどとの提携、「強み」を生か す「料理が不得意なバー」との提携など、単独ではなく、他者とのコンビネーションで事業を実現する方法もあるのだ。
 


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SWOT分析の次は、ベンチマーキング!

ベンチマーキングもSWOT分析同様、起業・独立を目指す人 に大いに活用してほしい経営戦略立案法である。その内容を一言で表せば、「ベストな先行事例に学ぶ」ことである。

まずはSWOT分析で自ら の強みや弱みを把握する。次に、同じような強みを「素晴らしく生かしている」先行企業や先輩起業家、反対に、同じような弱みを「巧みにカバーしている」先 行企業や先輩起業家を見つけ出し、自らとその相手との「差」がなぜ生じているのかを分析・測定し、その差を「埋めていく」ことで自らの力を高めていく方法 だ。

ここで重要なのは、誰が、自分にとってのベスト・プラクティス(最高の経営方法)を行っているのかを見誤らないこと。一般的には、自ら と同じ業界の成功例を規範にするが、必ずしも同業者や同業態だけがお手本というわけではない。有名な話だが、トヨタ自動車のカンバン方式はアメリカのスー パーマーケットにヒントを得ているし、「その日に売る分しか調理加工しない」惣菜大手のロック・フィールドは、「その日に加工する分しか発注しない」トヨ タ自動車の生産方式に学んでいる。また、熾烈なデパート競争に打ち勝った新宿の京王百貨店は、何と東京の「巣鴨地蔵とおり商店街」をベンチマークしている。

つ まり、自らが「できること」や「やりたいこと」、または「やるべきこと」をしっかり認識し、そのテーマにおいて、それを理想的に実践している先行例を、幅 広い分野から探し出すことが肝要なのだ。そういう観点で起業家のインタビューや企業紹介記事などを読み込んでいってほしい。そして、ベンチマークした相手 に、「いつかは必ず追いつき、追い越してやる」という気概が大切なのは言うまでもない。

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