起業アイデア 第4回 学習テーマ【事業アイデアの仕上げ】

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

誰に何をどう売るかを、徹底的に考え抜く

解説

【価格競争は禁じ手である】

大好きな中国茶を上海の問屋から好条件で仕入れられることになった 茶話田研二さんは、勤務先を辞して都心の一等地に中国茶専門店を開いた。商品構成も価格も競争力がある。なのに売り上げが伸びない。何がまずいのか?そし て、今後どうすればいいのか?

答えを示す前に、もっともまずい回答例を紹介しよう。それは「ユーザーが買いやすいように販売価格を下げ る」という答え。この方法は、販売量も仕入れ量も多い大型店やチェーン店などでは有効だ。だが、茶話田さんの店のように小規模な経営では、「薄利多売」で はなく、「薄利薄売」となり、結果的にますます業績を圧迫する危険性が高くなる。

そもそも、まだ「一部の人の嗜好品」状態にある中国茶 (葉)市場に、この作戦は適していない。価格競争戦略は、例えば家電製品のように、堅実な需要が存在し、同業者が乱立している市場、つまりシェア(占有 率)がものを言う成熟市場に向く競争方法なのだ。

そういう意味では、彼が中国茶を選んだこと自体は悪くない。薄利多売が無理な企業規模であ る以上、未成熟市場で「薄売多利」を狙うほうが成功する可能性が高いからだ。

では、茶話田さんがすべきこと。これは大きくわけて 3つある。

【顧客は一般ユーザーだけではない】

1番目はメインターゲットを考 え直すこと。茶話田さんは一般ユーザーだけをターゲットにしているようだが、プロにも販路を広げるべきだ。つまり、喫茶店や中華料理店への卸売りを行うべ き。 100種類以上のお茶を好条件で仕入れられるのだから、卸元としての競争力は高い。無論、店舗での小売りをやめる必要もない。むしろ、店舗を、小売りス ペースを兼ねたプロ向けの「ショールーム」として活用すれば、それがまた強みにもなる。

また、店舗商圏内だけに顧客を求めるのではなく、全 国の中国茶ファンをターゲットにする発想が必要だ。 100種類以上も取り揃えているなら、中には珍品があるかもしれない。であれば、少々高い料金を払ってでもそれを購入したい、という人が日本中を探せば少 なからずいるだろう。それこそ「薄売多利」のチャンスである。

【顧客に合わせて商品を絞る&広 げる】

2番目は、商品を考え直すこと。中国茶を扱うなと言っているのではない。中国茶という大雑把な商品のとらえ方がまずいのだ。これは 上記した「誰をメインターゲットにするのか」という課題を、茶話田さんがクリアにしていないこととも密接である。

例えば中国茶ファンから 「何を売っているのか?」と聞かれて、「中国茶です」とは答えないだろう。「銀針茶を使ったジャスミン茶を売っています。希少品です」くらいは言うはず だ。あるいはプロから同様の質問をされたら、「中華街の半値以下で卸せる鉄観音があります」などと答えるだろう。想定する顧客が喜ぶ商品は何かを意識すべ きなのだ。

また、小売り店に訪れてくる「中国茶初心者」もターゲットにできる。この客層に注目するなら、茶葉だけでなく、茶器や茶菓を販売 することも必要になってくる。

【顧客と商品を結ぶ提供方法を考える】

3番目 は、売り方を考え直すこと。すでに「誰に、何を売るのか」を考えることの大切さは示した。あとは、「どう提供するのか」である。「店舗で来店者を待つ」と いうのもひとつの売り方ではある。が、この方法だけでは利益を出せていないのが現実である。

もはや常識的ではあるが、自社サイトを開設し、 ネットショップを設けたい。そこでプロ用に卸売りを行っていることも告知したい。もちろん取引条件などは別途通知である。

一方、店舗は「商 品を並べて待つ」だけの場所ではない。イベントが開催できるスペースだと考えたい。試飲会やお茶の入れ方の勉強会、中国茶や中国を話題にした懇話会など、 いろいろな企画が立てられるだろう。また、綿密に計画すれば、会員組織を立ち上げることもできる。イベントや会員組織から販売機会が広がるのも常識だ。

【誰に何をどう売る?は、事業の青写真】

以上の解説は、前回、「事業アイデアが浮かぶというの は、こんな顧客に、こんなサービスを、こんな方法で提供しようという青写真が描けるようになること」という表現で伝えた結論の再確認である。この図式を茶 話田さんのケースに当てはめてみると、「不特定の人に、中国茶を、店で売る」としかならない。これでは魅力的な青写真とは言えない。

今週のキーワード<一本の線>

「顧客は誰か?」「サービス(商品)は何か?」「提供方法はどんな方法か?」。まずはこれらを考え抜く。
さらに、それぞれの答えを一本の線でつないだ時、それが、自然で魅力的な組み合わせになるように考えを進める。その仕組み
が完成すれば、事業アイデアが仕上がったことになる。

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