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経済成長を続ける中国で起業
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柳田 洋 氏破竹の勢いで経済成長を続ける国、中国。中国で起業した経験から、中国で会社を設立するための心得、注意点そして魅力をお伝えしていきます。 |
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Vol.18 中国ではステップアップ、日本ではドロップアウト
キャリアの最終目標は老板
中国では起業が盛んです。多くの働 く人々のキャリアの最終目標は、起業して老板(らおばん、オーナー社長)になることです。大企業の雇われ社長よりも、零細企業の老板の方が尊敬される、と いう点では、その考え方は、同じアジアの日本人よりも、アメリカ人に似ているかもしれません。
その傾向は起業率にも表れています。上海の 起業率は4.9%、一旗揚げようと田舎から出てきた人が集う街・深センに至っては、起業率は10.5%にものぼるそうです。これに対し、日本の起業率は 1.8%。上海では20人に1人、深センでは10人に1人が起業するのに対し、日本で起業する人は50人に1人もいないのです。
かく言う 私も、日本にいた時には、大企業の中で昇進していくつもりでいました。しかし、中国に来てみると、目の前で中国人の友人たちが、いとも簡単に大企業を辞 め、起業して老板になっていくのです。みんなに「恭喜!恭喜!(ごんし!ごんし!、おめでとう!おめでとう!)と祝福されながら・・・。
このカルチャーショックは私の人生の進路に、大きな影響を与えました。
中国では ステップアップ、日本ではドロップアウト
実際、私が会社を辞めて起業したときも、中国人の友人たちからは「恭喜!恭喜!」と祝福される ことが多かったのですが、日本人の友人に話すと「そのまま丸紅にいれば、年間1000万円以上の給料をもらって、安定した暮らしを続けられるのに、なんで また、それも中国で」という反応が返ってくることがほとんどでした。なかには「何か悪いことでもしたのか?」と訊く人までいました。
中国 では会社を辞めて起業することは明らかにステップアップなのですが、日本ではドロップアウトと見られることがまだまだ多いのです。
「失うものなど何もない」
日本では以前はもっと起業率が高かったと言います。また、江戸時代 までさかのぼれば、ほとんどの人が起業家だったと言われています。それが現在、起業率が非常に低くなってしまったのは、日本の社会が豊かになったためでは ないかと私は思います。
豊かになることは非常によいことなのですが、豊かになればなるほど、今の収入、今の財産を守るために人は守りに入 るようになります。また、いい学校を出て、いい会社に入って、いい給料をもらっている人が、会社を辞めて起業をするということは、今まで何十年もかけて 培ってきた過去の蓄積をすべて捨てることになります。これはなかなか勇気のいることです。
一方の中国は、つい最近豊かになり始めたばかり ですので、「失うものなど何もない」という人がほとんどです。元々の収入が低いので、起業して老板になって、ちょっと事業がうまくいけば、今までの収入の 数倍のおカネを稼ぐことは、それほど難しいことではありません。
中国で起業を目指すみなさんはもちろんですが、日本で起業を目指すみなさ んにも、ぜひ一度中国に来ていただいて、そうした中国の人たちのたくましく、そしてしたたかな起業家精神に触れていただきたい、と思います。
写真:果 物移動販売馬車
当社のオフィスが入っている幸福大厦(しんふーだーしゃー)の裏手に来る、果物移動販売馬車です。朝、自分の畑で取 れたスイカやハミ瓜を、馬車に載せて街まで売りに来ます。集荷業者に卸すよりも、自分で売った方が高く売れるので、はるばる郊外から売りに来ているので す。彼も立派な老板の1人です。このたくましさ。私たちも見習いたいものです。
※このコラムは2006年に執筆されたものです。内容が古い可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
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