Vol.8 売り上げ3万9000円⇒27歳7カ月で上場!ドリコム内藤社長【起業編】

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
今回は2006年 2月9日に東証マザーズに上場を果たした株式会社ドリコムの内藤裕紀社長に起業から上場までのお話しをお聞きしました。内藤社長へのインタビューは今回の 【起業編】と次回の【IPO編】2回に渡ってお届けいたします。

株式会社ドリコムは京都の学生が集まって立ち上げた会社です。アメリカでのブログブームをいち早く感じ取り、「マイプロフィール」(現ドリコムブログ)と いうブログサービスを始めました。その後GMOインターネットやオリコン、ゴルフダイジェストオンライン、最近ではヤクルトスワローズにブログシステムを OEM※1提供をしています。現在は「インターネットのモノ創り会社」としてさまざまな法人向けサービス、一般ユーザー向けサービスを提供しています。

 

起業したきっかけは何ですか?

 小さい頃から発明家になりたいという夢を持っていました。発明 家イコール「新しいモノを作って世の中の役に立つこと」と思い、今の時代ではそれは会社をおこすことだと思い起業しました。

起業当時のドリコムの様子を教えてください。

 起業を思い立ったとき、まずはメンバーを集めま した。「あなたも一緒に起業しませんか?」というビラを一生懸命大学でまいたんです。怪しいですよね。そのとき一緒にビラをまいたのが現在営業部隊をまと めている取締役です。

 当時立命館大学の情報学科の学生が授業の課題でホームページを作成して公開していました。そのホームページを全部見 て、「こいつはできる!」と思った学生にメールをしました。そんな彼が現在弊社の取締役であり、最高技術責任者です。

 もう一人は、ある日 の夜中12時に僕のマンションに知らない学生が来たんです。「僕も起業したいんです」と僕の部屋で正座しながら言い続けました。その学生が弊社の管理・企 画担当役員で上場プロジェクトの責任者でした。

 2001年11月に社会にも出たことなく、お金も経験もない僕たちが小さな会社を立ち上げ ました。それが有限会社ドリコムでした。

その後の会社は順調だったのですか?

  いえ、順調ではありませんでした。事務所兼役員3人の住居として部屋を借りたのですが、そこがひどかった。家賃8万円で5LDKだったんですが、ゴキブリ やねずみ、猫までいるようなところでした。そんな感じで初めての決算は売上高が3万9000円に対して、赤字額が530万円。業務用の肉を買ってきてノコ ギリで切って食べるなど、食事もままならない状況でした。

 そんな状況でしたが、実は受託開発の仕事はちょこちょこ来ていました。一件 100万円とか300万円とか。当時の僕らからしたら喉から手が出るほど欲しい売上でした。でも、僕達はそれらの誘惑を断り続けました。自分たちがいいと 思ったものを自分たちの手で作っていきたい。下請会社や孫受会社のような会社を作るつもりで会社を立ち上げたのではかったので。僕は「インターネットの発 明家」になりたくて起業したんです。そう思い企画から開発、運営まで、有名企業の仕事だけをして、実績を作ろうと思いました。この方針を掲げて迎えた決算 は売上高7200万円、営業利益1500万円となり、24歳の春に有限会社から株式会社にしました。

 その後、経済産業省後援、DREAM GATEが発行している「ニッポンの起業家図鑑」で学生起業家100人に選ばれました。僕以外に載っていた人はパソナの南部さん、HISの澤田さん、ソフ トバンクの孫さん。そうして売上高も1億円を超えて順調にドリコムは成長しました。2005年には経常利益が9000万円を超え、ドリコムに専念するため に京都大学を中退しました。そしてNHKの「クローズアップ現代」に、第一世代ソフトバンク孫社長、第二世代楽天三木谷社長らに続くIT第三世代代表とし て取り上げてもらいました。

 そして、ついに2006年2月9日に、27歳と7カ月で東証マザーズに上場を果たしました。クレイフィッシュ 松島社長、サイバーエージェント藤田社長に続く若さでした。

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