介護ビジネスで起業・独立 Vol.22 老人福祉法改正により拡大された有料老人ホーム

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
2006年から有 料老人ホームの対象が拡大されました。今回は有料老人ホームについて見ていきましょう。

有料老人ホームとは?

  「高齢者の生活の場」とのイメージのある有料老人ホームも、法的に定義がされています。老人福祉法第29条において、
「老人を入居させ、入浴、排 せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であって 厚生労働省令で定めるものの供与(他に委託して供与をする場合および将来に おいて供与をすることを約する場合を含む。)をする事業を行う施設であって、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省 令で定める施設でないものをいう」 とされています。

老人福祉法では、介護保険の改正前において有料老人ホームは

●人数が 10人以上であること

●食事の提供を行っていること

が要件となっていましたが、老人福祉法の改正により、2007年から有料 老人ホームの対象が拡大されたことになります。

 つまり、

●人数については1人以上

●次のいずれかのサービスを

・提供していること

・委託で行っていること

・将来これらのサービス提供を行うことを入居者と契約していること

1 食事の提供

2 介護の提供

3 洗濯、掃除等の家事

4 健康管理

 以上に該当す る事業所はすべて有料老人ホームとなり、2006年3月以前に業務を開始した事業所も含め、老人福祉法による都道府県知事への設置届の届け出が必要となり ます。このため、10名未満の利用者に対して住居やサービスを提供していたいわゆる宅老所なども後述の設置運営指針を満たすこととは別に届け出の対象とな ることに注意が必要です。 ただし、適合高齢者専用住宅の登録、届出をおこなった事業所(住宅)は有料老人ホームに該当しません。(適合高齢者専用住宅に ついては、次回お話しいたします)

 ま た、有料老人ホームでは、

・帳簿の作成と保存

・重要事項説明書の作成と情報開示

・入居一時金の保全措置(入居 一時金を受領する場合のみ)

・有料老人ホームの類型表示

などが必要とされることになりますので、注意しましょう。なお、有料 老人ホームの設置にあたっては、設置運営標準指導指針に留意する必要がありますが、都道府県によっては、有料老人ホームにおける設置運営指導指針を独自に 設けている場合があります。

 設置をお考えの場合には都道府県にもお問い合わせください。

 

有料老人ホームと特定施設入居者生活介護

有料老人ホームが、介護保険の対象となる 介護サービスを提供する場合、特定施設入居者生活介護、介護予特定施設入居者生活介護の指定を受ける必要があります。また、2006年4月の介護保険法の 改正では、有料老人ホームの開設当初、介護を必要とする入居者が少ない場合などを想定し、外部の指定事業者へ委託する「外部サービスの利用型」でも指定が 受けられることになっています。

 ここで、介護保険法の改正において要支援者が入居しない介護専用型有料老人ホームについては、介護保険事 業計画に策定された整備目標を超える新設については市町村(入居定員が30人未満)、都道府県(入居定員が30人以上)は拒否できることになりました。い わゆる有料老人ホームの総量規制ですまた、要支援者も入居するいわゆる混合型の介護付きホームであっても、特定施設入居者生活介護の指定は、給付費の都道 府県の負担割合の引き上げを受け、都道府県知事は指定を拒否できるようになりました。

 以上の点から、少なくとも2008年度までの第3期 介護保険事業計画においては有料老人ホームの新規参入は難しいと言えるでしょう。計画には市町村、都道府県とも事前の相談が必要です。

 

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