起業の心得:ゲンイチ第108回 下流社会

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

三浦展氏の『下流社会』っていう本を読みました。昨年の9月に出て、少し話題になっていたので読んだ方もおられるでしょう。衝動買いしたのですが、面白かったですよ。三浦氏はこれからの階層社会を「下流社会」という造語で語っています。

彼が今までにかかわったマーケット調査から、持論を組み立てておられるので、数字やパーセント表記が多すぎて読みにくいところはあります。けれども、階層社会を構造化している視点は面白かったです。

階層意識とは、個人の意識の問題で誰かが誰かをどこかの階層に規定するものではないです。要は、自分のことをどのように思っているかが階層意識です。
彼は冒頭で、「階層意識は単に所得や資産だけでなく、学歴、職業などによって規定される。それは、自分だけではなく親の所得・資産、学歴、職業なども反映した意識である。しかも興味深いことに、階層意識は、その人の性格、価値観、趣味、幸福感、家族像などとも深く関係していることが、調査結果から明らかになっている」と言っています。

そして、僕が一番注目したのは「自分らしさ派は階層意識も生活満足度も低い」
という見解です。僕は講演で「自分らしく生きよう!」って連呼しています(笑)。その「自分らしさ派」は階層意識も生活満足度も低いというのです。三浦氏は「自分らしさ派」は自分らしく生きていないから、自分らしく生きようと思っている訳で、そうできない今の生活への満足度が低く、所得も低くて階層意識も低いということでした。僕はこれを読んで、ハタと気付きました。少数派ですが、僕の周りにも「自分らしく」とは言っておられるのですが、なんか、しっくりしない人たちがいます。よく考えると、彼らは自分の今の不満足感や人生の目標が見つからない状況を、「自分らしく生きたい。それを探している」と言って自分をごまかしています。これはダメです。自分探しを理由に今を一生懸命に生きない。これはあきません。

僕は学生君やフリーターの人たちに、今、夢がなかったとしても夢を持ちたいと思い続けること。そして、現在アルバイトをしているなら、そのアルバイトを一生懸命すること。もしブラブラしているなら、一生懸命ブラブラすること。思い続けて、今を一生懸命生きれば、夢はあっちからやってきます、と話しています。

「自分らしく生きる」を、自分にとっての「できない自分」への言い訳にしてはいけません。一生懸命前向きに生きることが、「自分らしく生きる」のスタートラインです。

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