カタログ・HPなどの作成に関わる権利関係

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
事業を行うにあ たって、自社の商品やサービスを紹介するために、カタログやホームページを利用することがよくあります。今回はその際に欠かせない著作権法に関して説明し ていきましょう。

 1. 著作権法とは

(1)著作物

 著作権法と は、端的にいえば、著作物を保護する法律です。では、保護対象である著作物とは、どのようなものを指すのでしょうか。著作権法は、著作物につき、「思想又 は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義しています。重要なのは、著作権法とは、アイデアそのものを 保護するものではなく、アイデアの表現を保護するものということです。これは、例えば、他人の書いた文章について、同一の趣旨・内容であっても異なる記述 の仕方をした場合には、別の著作物とされ、もとの文章との関係では著作権侵害とはされないということを意味します。以上を踏まえて、カタログやホームペー ジの作成時に利用される著作物を考えてみると、他人の文章、イラスト、写真などがあります。このうち、文章とイラストについてはほとんどの場合、著作権法 により保護される著作物にあたると考えられます。他方、写真については、その創作性につき、多少争いがありますが、著作物にあたるものが大部分でしょう。

 

(2) 著作者・著作権者

 著作者とは、著作物を創作した人のことです。他方、著作権者とは著作権を有する人のことです。通常著作者と著作権者は同 一人物ですが、例えば著作権を譲渡したような場合には、著作者と著作権者が異なることになります。
 また、著作権は、著作者が創作をした時点で権 利が発生します。特許庁などの行政官庁に登録する必要がありません。これは、著作権と並ぶ知的財産権の一つである特許権などとは大きく異なる特徴です。

 

(3) 著作権の内容

 著作権は、一つの権利ではなく、さらに複数の権利に分かれます。大きくは、著作財産権と著作者人格権に分かれ、それぞれがさ らに細分化されます(細分化されたそれぞれの権利を「支分権」といいます)。 

著作者人格権には、
・著作物の公表に関する公表権 (著作権法18条)
・著作者名を表示する氏名表示権(著作権法19条)
・著作物の内容を勝手に変更されない権利である同一性保持権(著作 権法20条)
があります。

また、著作財産権の支分権としては、
・複製権(著作権法21条)
・公衆送信権(著作権法 23条)
・テレビなどを通じて著作物を上映する権利である上映権(著作権法22条の2)
などがあります。 

 カタ ログやホームページにかかわる著作財産権としては、複製権や公衆送信権が挙げられます。複製権とは、著作物を再製する権利(コピーする権利)であり、著作 物をカタログに掲載したり、サーバへ蓄積したりする場合などに問題となります。また、公衆送信権とは、インターネットなどによって著作物を不特定多数の人 に対して送信する権利をいいます。

 そして、著作権は支分権ごとに、他人に利用させることができます。例えば、著作権者は著作権の一部につ いての利用許諾契約を締結することができるのです。

 

 2. 他人の著作物を利用する場合の権利処理

 それでは、ホームページやカタログの作成にあたって他人の著作物を使用したい場合は、どうすれば よいのでしょうか。法律上は、著作権者から、著作権を利用させてもらう(利用許諾契約)か、買う(譲渡契約)という方法があります。ただし、引用にあたる 場合(日常用語の意味ではなく、著作権法上厳密な条件が決められています)や著作権の保護期間が経過した場合には、他人の著作物であっても、許諾や譲渡が 必要ない場合があります。

・利用許諾契約書の注意点

1、利用の範囲を明確に記載する
例えば、「ホームページ に掲載して、インターネット・携帯電話で配信する」、「商品カタログに掲載・配布する」など、何のために著作物の利用許諾を受けるかを記載することが必要 です。

2、できれば、将来利用する可能性がある利用方法についても記載して許諾をもらう

3、自社にのみ利用を許諾してもらう (独占的利用権)か自社以外にも利用を許諾することを認める(非独占的利用権)かを明記する

・譲渡契約書の注意点

1、譲渡 の範囲を明確に記載する
すべての著作権の譲渡を受けることを記載する、あるいは、利用許諾の場合と同様、「ホームページに掲載する権利を譲渡す る」などと規定することが考えられます。

2、「翻訳権・翻案権(著作権法27条)および二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(著作権 法28条)の権利についても譲渡する」と明記する
翻訳権・翻案権とは、例えば漫画のキャラクターをもとにして、そのキャラクターの人形を作る場合 のように、元の著作物を加工する権利のことをいいます。また、この結果つくり出された新たな著作物を二次的著作物といいます。これらに関する権利の譲渡に ついては、著作権譲渡契約において明確に特定して規定しない限り、譲渡を受けることができないとされています(著作権法61条2項)ので、契約書において 明示することが必要です。

3、著作者人格権の不行使を規定する
著作者人格権は、譲渡することができないとされています(著作権法 59条)。著作者人格権が、著作権を譲り渡した者に残ると、例えば譲り受けた者が著作物を加工したような場合に、同一性保持権の侵害としてクレームをつけ られてしまうおそれがあります。そこで、著作者人格権については、著作権を譲り渡した者が行使しないことを契約で定めることが行われています。
 

 以上を検討した上で、権利者との間で、何らかの契約を結ぶように交渉することになります。交渉 の結果、許諾や譲渡が得られない場合には使用できません。なお、「権利者に見つからなければいい」と考えて、権利処理をしないで他人の著作物を利用する と、単に民事的に損害賠償義務を負うだけではなく、悪質な場合には、刑事罰も科される可能性もありますので、注意が必要です。

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