Vol.15 創業明治三十八年。老舗から学ぶネットショップへのチャレンジ精神

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「お伊勢さん」の 門前で、100年間変わらぬ味を守り続けてきた老舗のかまぼこ店。職人の昔ながらの手作りの味を、参拝客だけでなく全国にお届けしたい、そんな情熱的な四 代目の、チャレンジ物語についてお話します。

本物、ニセモノ。こだわりを貫く姿勢。

 コンサ ルをする際に「こだわりすぎてはダメです」「ほどほどで止めて」などということを、よく口にしてしまうものです。しかし、こちらのお店はなんと言っても 「創業100年の歴史」という、ゆるぎない大看板がどーんと立っているわけですから、そこは中途半端なこだわりではありません。

 勉強会で お会いする機会のある、四代目の美濃さん。試食会で驚いたのが、「本当に確かな舌の感性を持っておられる方」だということ(なんて書くと失礼でしょう か)。実に、驚くほど確かで、繊細です。こういう方に出会えると、無条件に嬉しくなってしまうのですが(笑)。←単に食べ物オタクな私(笑)。

  伊勢・志摩といえば、リアス式海岸の栄養豊かな漁場に恵まれた、素晴らしい環境。美濃さんは、新鮮な魚介が豊富に育ち、その中なかでもひときわ新鮮なエソ やシログチ、ハモなどを使って、昔ながらの手作りでかまぼこを作り続けています。また生まれた時から職人として、恵まれた環境でその感性を磨かれたのだろ うと推察します。その感性を持ってして、初めて可能だったのだと思うのです。

 「古い殻を破り、新しい世界にチャレンジを する」という冒険が。

 

昔ながらのもの、新しいもの。

  一言で「練り物」と言えば、我々江戸の人間はすぐに「板わさ」をイメージしてしまいます。木の板に、丁寧に包丁で形作られた形状は、まさに日本の「文化の 形」だなあといつも惚れ惚れします。

 価格を下げたり安定させるために、すり身に増粘材やたんぱく成分などを加えたりしているものと、純然 と近海もののすり身だけで作ったものとでは、形は似てもまったく否なるもの。味わいや食感、鼻先に持ってきた時の匂いも全然違う食べ物と言えるでしょう。

  我々一般の消費者は、かまぼこや、さつま揚げを買うと、すぐに使えない時は冷凍してしまう傾向にあります。しかし、美濃さんいわく「冷凍すると全然違うも のになってしまうからダメ」だそうで。厳密に言えば、確かに風味は変わりますが・・・。それでも十分、おいしいんですけどね(苦笑)。

  板付きのかまぼこ、細工かまぼこ。昔は、祝いの席には、大きな細工かまぼこがお膳に乗っていました。私は子供の頃は広島で育っているのですが、そこでも結 婚式だのお正月だのといえば、立派な鯛の形のかまぼこをよくみかけた記憶があります。

○祝いかまぼこ
http://item.rakuten.co.jp/wakamatsuya/c/0000000218/

  こういう昔ながらのものを販売しつつ、また今の時代のニーズにあったものも提案しなくてはなりません。また、ネットのお客様は「飽きっぽい」習性がありま す。加えて「新商品!」という響きは、次の購入につなげるステップとしては、非常に勢いのつくいい機会だったりします。

○ 季節の限定商品
http://item.rakuten.co.jp/wakamatsuya/c/0000000210/

  春先には春の野菜を使い、バレンタインにはハート型のさつま揚げを。夏にはビールに合うおつまみ系を、秋冬はおでんダネやサツマイモを入れた変わり揚げ を。いつもサイトから目が離せなくなるような工夫には、この「おもしろチャレンジ」も必須。

 いろいろな層のお客様を、広く取り込んでいく 工夫にはこと欠きません。

 

門前「おかげ横丁」の人気メ ニュー

 伊勢神宮の門前には「おかげ横丁」という有名な「商店街」があります。あの、「お土産菓子日本一の売り上げ」を誇る、 「赤福本店」もそこにあります。

 その一角に軒を連ねる「若松屋」では、食べ歩き用としても販売している「チーズ棒」が 大人気。揚げたてのもっちりとしたすり身の中から、チーズがたっぷりととろけだしてくるのです。ボリュームも味も、大満足の一品。

○ チーズ棒
http://item.rakuten.co.jp/wakamatsuya/b07a01/

  加えて、大振りで迫力満点の「横綱ひりょうず」。九種類の具がたっぷりと入って、1個で大人1~1.5人前くらい、と いうボリューム。元来「ひりょうず」とは、関東では「がんもどき」と言って、お豆腐を崩したものをまとめて具を入れて揚げたものなのですが、こちらのお店 は「練り物」屋さんなので、すり身を使って作っている、というわけ。

 大きいと中が堅くなってしまいそうな印象ですが、そこはさすがの一 言。旨みたっぷりで、少し温めただけでも、煮付けてもおいしくいただける人気の一品です。「横綱」という、迫力を感じる単語に「ひりょうず」という、いか にも関西っぽい響き。こういう名称のつけ方ひとつにも、「伝える」目的が明確で的確、非常にセンスのよさを感じるのです。

○ 横綱ひりょうず
http://item.rakuten.co.jp/wakamatsuya/b07c01/

  これら、店頭でも人気のある商品を、門前の空気感をページに盛り込みつつ、セット販売をしています。確実にランキングにも入ってきており、その人気は鉄 板、と言った印象ですね。
http://item.rakuten.co.jp/wakamatsuya/b01c/

 

  モールでの販売の際、「ランキングに入る」というのは非常に重要なことです。高い有料広告を何百万分も買うよりも、確実に「顧客の信頼」と「露出」を獲得 出来るのは、「ランキング」での露出が一番です。そのために、常にランキングを狙える商品を用意し、露出の調整をしていく、というのも重要です。同じ商品 がランキングに入り続けている、というのも、信頼の証につながります。

 このあたりの調整も、バランス感覚が必要だと言えますね。 個人的には「紅しょうが」「きくらげ」あたりがとっても好みなんですけどね。私好みのものは、なかなかランキングには入りません。割とマニアックだったり するもので(笑)。

 確実に味を見分ける「職人の舌」、ネット市場での「マーケティング」、そしてすばやく柔軟な 「感性」。老舗練り物店の四代目は、こうして門前の味を、全国にお届けするシェアを確立した、というわけです。本当は数字もお伝えした いところですが、これは企業秘密ということで、今回はパスさせて頂きました。何とぞご了承くださいませ(苦笑)。

 空気の清らかな、実にいいと ころです、伊勢って。私も実店舗にはまだ1度しかお邪魔していないのですが、また立ち寄りたいお店です。
行けないかわりにサイトを拝見して、あの 空気を感じてみる、というのも楽しいですね。

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ここにあります。

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