Vol.09 固定資産管理には現場との連携が必須

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

固定資産の保有に当たっては、減価償却などの経理処理に注意することも重要ですが、現場と連携をとって管理することも必要です。 今回は、保有する間の管理の方法について、そのポイントを解説します。

固定資産台帳で管理する

 固定資産の管理は「固定資産台帳」で行います。請求書・見積書・仕様書などをチェックし、実際にその資産を使っている現場と連携しながら、購入、修繕、処分を確実に台帳に反映させます。

 そして、期末時には必ず台帳と現物とを照合し、「台帳には載っているが現物はない」などの誤差がないかチェックを行います。誤差があれば原因を究明し、その結果を「固定資産除却損」などの勘定科目で決算書に反映させます。

 期中にこの台帳の管理ができていないと、決算時に手間を取り作業を滞らせる結果となりますので、日々の管理が重要となってきます。

 

固定資産台帳ってどんなもの?

 では、具体的に固定資産台帳に何を記載するのかについて説明します。

 1.まず固定資産を購入すると、資産の管理単位ごとに「固定資産番号」を付けます。番号は、「勘定科目に従った資産の種類」「使用する部門」「購入日の順」という形で段階をつけて、例えば「111-01-0001」というように付けるとわかりやすいでしょう。

 2.次に「資産の名称」を付けます。例えばパソコンなら、ただ単に「パソコン」と付けるのではなく、製品名なども入れて付けた方が台数が増えた場合に管理し易いでしょう。

 3.「資産の種類」や「部門」、「数量」、「取得年月日」、「取得価額」、「処分年月日」、そのほか「減価償却計算に必要な項目」などを記載します。

 管理シート自体はエクセルなどのソフトを利用して作成してもかまいません。また、数量が多くなり管理が大変な場合は、専用の固定資産管理ソフトが市販されていますので、そういったものを利用するのもいいでしょう。

 

管理には現場との連携が重要

 期末時には台帳と現物とを照合すると言いましたが、この照合の際によく問題となることが一つあります。それは、台帳で管理している名称と現場で使用している名称が違っている場合に、台帳に記載された資産が、現場ではどの資産を指すのかがわからなくなることです。

 これを防ぐために、資産の管理単位ごとに割り付けた「固定資産番号」を台帳と現場とで共通化し、それぞれの資産に番号を記載した「シール」を付けて管理することがよく行われます。この番号管理を正確に行うことにより、現場の呼び名と台帳上の名称とが違っていても、経理と現場とで統一を図ることができるのです。

 このように固定資産管理には現場の協力が欠かせませんので、面倒ではありますが固定資産管理の重要性を現場の方にも理解してもらい、協力を仰ぐことが管理作業をスムーズに行っていくポイントとなるでしょう。

 

保守点検のポイント

 固定資産の保有している間は、定期的に保守点検を行い、何かトラブルがあれば補修を行う必要があります。

 補修を行うかどうかの判断ポイントとしては、「安全面」と「環境面」の二面から判断する必要があります。特に、建物については防火上問題ないか、機械装置や車両については安全に作動するかどうかという点に注意が必要です。また、機械装置や車両については、環境面から悪影響を及ぼしていないかどうかもチェックポイントとなるでしょう。

 保守点検を行った結果、異常個所があれば補修を行う必要があります。その際補修にかかる費用が、経理上「費用となるのか」、または「減価償却資産となるのか」という点につき、税務調査でよくトラブルになります。

 次回は、固定資産を補修した場合の経理上・税務上のポイントについて解説しましょう。

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