知的財産:Vol.08 あなたも出来る商標調査の方法

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
会社法が施行されて以降、社名が十分に保護されない状況になってしまったのは、皆さんもご存じかと思います。とはいえ、むやみに社名を付けると今度は商標権の侵害で訴えられる、なんてことになりかねません。そこで、今回は社名を決定するにあたり行うべき商標の調査方法を説明します。

調査前から調査しても見つからないと言い切れる商標

 商標は、先に出願や先に登録した人が居なければ登録してもらえるのが原則です。しかし、単に先んじた人が居ないからというだけで登録が認められるわけではありません。差別用語などの公序良俗に反するものは当然ですが、他にも一般名称や色や形を単に表現しただけの識別力を有さないものは登録されません。逆に、そのような識別力を有さない商標は、出願する人も居ないわけで調査してもヒットしません。ヒットしないからOKなどと簡単に思わないでください。例えば、靴という商品に「赤い靴」では調査しても無意味です。靴に「赤い靴」という商品名を付けても無意味だとも言えます。

 

無料のデータベースを使う

 商標調査には、無料の特許電子図書館(IPDL)の使用がよいでしょう。他にも有料のデータベースもありますが、事前登録が必要であったり使用方法が煩雑ですので、皆さんにはIPDLがお勧めです。

 

まずは指定商品・指定役務を探す

 まず、「商品・役務名リスト」で、その商標を使用する予定の商品やサービスを探します。探すと言っても、ここではその商品やサービス(役務)の区分がわかれば十分です。区分とは、特許庁が商品やサービスの分類毎に定めた区分けの番号だと思ってください。このサイトの「商品・役務名」に商品やサービスの一般的な名前を入力して区分を検索します。例えば「本棚」と入力し検索すると、検索結果が件数で表示され、リスト表示が可能になります。「リスト表示」をクリックすると、該当のリストが表示され、区分、商品・役務名、類似群、出願番号が表示されます。まずは目的の商品・役務名の区分をメモします。より正確に調査したい方は、類似群もメモしておきます。

 

いよいよ商標調査本番

 次に、「称呼検索」で、自分が使いたい商標の読みから、似た称呼の商標がないか調査をします。このサイトの「称呼」にカタカナで商標の読みを入力します。また、さきほどメモした区分を「区分」に入力します。「類似群コード」に類似群を入力していただいても結構です。さあ、いよいよ検索実行です。検索を実行すると検索結果が件数で表示され、一覧表示が可能になります。いずれかの一覧表示をクリックしていただければ、称呼類似と判断された商標の一覧が表示されます。詳細は、各案件の番号をクリックしていただければ表示されます。

 

類似の判断

 調査で似た商標がたくさん出てきた場合、どの商標に留意しないといけないか困惑することと思います。まずは、調査を実際にやってみてください。

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