Vol.17 臆病な人が向いている!?リードできる「営業」をする

顧客をツカむ営業の心得
相手を常にリード して「営業」できる人には特徴がある。常にということは、アクシデントやトラブルに遭遇したとしても冷静に切り抜けられることが必要だ。言い換えれば、自 分の心の動揺や湧き上がってきた情動に支配されないということである。

営業は臆病な人が向いている!?

 「私は気が小 さいし臆病なので、ついつい相手や場所によって緊張してしまいます」……といった嘆きが聞こえてきそうではあるが、いつも申し上げるように「営業」は気が 小さくて臆病な性格の人のほうが適性は高い。成功のポイントは臆病であることを受け容れて事前準備を万全にすればよいだけだ。

 この場合の 事前準備とは、直接的に交渉相手を研究するという事例ごとの対処方法も含むが、今回は本質的な対処能力向上方法をお教えしよう。


本質的な対処能力向上方法

 「感情」は、根拠なく湧き上がるものではなく、そこには必ず原因が存 在する。

 例えば、「交渉相手を訪問したところ圧倒されてしまい、どうしようもなく気後れして伝えたいことの半分も言えなかった」という ケースを事例に考えてみよう。

 対策はこうだ。

 1. あなたが「圧倒され、気後れした」対象物(人物)から、意識を離して観察する。

 2. 対象物を構成する「パーツ」(解説1)ごとに分解してみる。

 3. 分解したパーツを、それぞれに検証して「圧倒・気後れ」を生み出している原因を探り特定する。

 4. 原因が判明したら、その対象パーツに対する免疫をつける目的を持って近づく。

 5. このとき自分の感情の変化を客観視するコツをつかむのがポイントだ。


 (解説1)
 パーツとは、交渉相手を構成す る「肩書き」「学歴」「服装」「体格」「顔タイプ」「社屋・部屋」「部屋を演出する家具や小物」「身のこなし」「目ぢから」「声のトーンや大きさ」「表情 や仕草」などを指す。思いつくものすべてを書き出してみよう。

 「感情」を揺り動かされたパーツを特定できれば、あなたの内面から「恐 怖」「畏れ」を生み出す未知なるモノの正体が判明する。その正体は、たいていなんでもないもので、例えば広くて豪華な応接室であったり、ドスの効いた野太 い声であったり、凹凸のハッキリした派手な顔立ちの女性であったり、感情の変化が表情に現れない能面顔であったり、大企業の役員は偉いという観念であった りする。

 人は、過去の体験からさまざまな苦手意識を抱いていることが多い。そして、その苦手意識の対象物にであった瞬間、無意識レベル であなたの感情を支配してしまう。しかしその瞬間に、あなたがフッと息をついて対象物から意識を引っぺがすと共に、自分の感情を客観的、且つ冷静に分析す ることを繰り返せば、少しずつ耐性が生まれてくるのだ。

 

自分の感情の源泉を読む

  たいていは、苦手対象物だと認識するとそこから自分を遠ざけようとしてしまう。勇気を持って立ち向かって行ったとしても、気持ちが逃げているから耐性を生 み出すどころか、苦手意識をさらに積み上げる結果となっていることが多いものだ。

 起業して経営者を目指すなら、「自分の感情の源泉を読 む」ことを常に意識して、アクシデントやトラブルへの耐性を向上しておきたいものだ。そうすることで、どのような相手を前にしても、常に交渉をリードでき る「営業」を身につけることができるのである。