Vol.20 外交力とコミュニケーション力で営業力に磨きをかける

顧客をツカむ営業の心得
前回、「感性営業 のススメ」でご紹介したエスプレッソマシンを実演販売する女性は、転職をしました。大企業で「相手を瞬時に理解できるスキル」を身につけるために奮闘中で す。

新たなステージへの挑戦

 通常月間20台ほどの販売のところ、 一気に104台もの新記録を樹立した彼女は(Vol.19参照)、しばらくしてその会社をやめた。どうやら、その職場から与えられたステージをやりきって しまったようだ。その後友人の紹介で入った売り売りモード一色の美容機器販売をはじめるが、その会社に理念がまったく感じられずに考え込む。

 

 彼女「この会社で続けていいか迷っているんです」

 ワタシ「アナタはパワーは十分だけど、圧倒的に経験が足らんねっ。あと、品格も・・・」

 彼女「ひっどぉーーーいっ でも当たってるわぁ」

 

 ということで、今回彼女には、創業以来一つの商材に飽くなき追求を続け、高付加価値な医療・健康機器を製造・販売するメー カー(東証一部)での営業職を紹介した。

 

大手企業での営業

 そこは、高度な交渉力、数多くの現場で修練を重ねた人間力を持つ、 たくさんのプロがあふれている職場だ。販売テクニックも習得できるが、多様な人達に触れることで多くの学びを得ることが彼女の資産となるはずである。

 さて、初めての大手企業に入社した彼女であるが、喜びもつかの間、 新たな悩みに悶々とすることになる。

 

 彼女「もうビックリ、まるでお役所みたいなんです。楽して早く帰るこ としか考えていないみたいだし、私がいろいろ提案しても迷惑がってすべて無視ですぅ~(涙)。それに、上司に向かって言っていることと実際にやっているこ とが正反対で口先ばかりの同僚が多いんです(怒)」

 ワ タシ「いい経験してるねぇ~。思いっきりぶつかってきてよ。失うものもないからいいじゃん。そこで一番とれたら、今までの売り売りだけの世界から、もう一 歩進めること間違いなし」

 

組織を体感すること自体がスキ ルアップに!

 これまで個人商店的に自分独りで営業を やってきた彼女からすれば、大きな組織はさぞかし窮屈でじれったいのだろう。自分独りの判断でスグにも方向修正ができた環境とは大違いだ。やる気の低い同 僚からの妬みや足の引っ張りもあるかもしれない。正しいと思って進言したことがまったく評価されないこともあるだろう。

 しかし、これでいいのである。組織を構成するさまざまな人を観察し、 それぞれの立場を理解する。自分の考えが絶対と凝り固まらずに、違った角度から俯瞰してみる。タイミングが悪いと感じたら、じっと潜伏して機をうかがう。 たくさんの人間の思惑で構成される組織を生身で体感することこそが、多様な立場の相手を瞬時に理解できるスキルを身につけることにつながるのだ。

 

 営業担当者にとって、自分自身の外交力は欠かせないスキルである。しかし、、組織のパワーを活用して大きな外 交力を生み出す、身内とのコミュニケーションスキルもまた欠かせない。

 さらには、組織を口説き落とそうとすれば、組織を構成する人間の立場を理解し、動かすことのできるグランドデザイン的なスキ ルが必要となる。

 

 営業は、BtoCだけでも、 BtoBだけでも成立しない。