経営を成功に導くIT Vol.28 優れたシステムならば、そのまま「売り出せる」時代に。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
ITシステムは 『自社で使うもの』というのが常識です。しかし、時代が変わりつつあります。もしあなたの会社のシステムが優れているなら、苦労なくそのまま『売り出せ る』かもしれません…

ITサービスの形態が進化しつつある

t27-1.jpg みなさんの会社でも、ASPサービスを利用しているかもしれま せん。ASP(Application Service Provider)とは、ASP事業者が自社内にITシステムを構築し、ネットワーク経由で顧客に貸し出すサービスです。

 ASPを活用 すれば自社でシステムを構築する必要がなく、月額料金を支払うかたちで利用できます。しかし一方で、ASPは使えるサービスが固定的で、カスタマイズはほ ぼ不可能というデメリットがあることが常識でした。この『カスタマイズ不可能』という不都合をある程度解消するサービスとして、 SaaS(Software as a Service)が台頭してきています。

 そして、これをさらに進めた考え方も登場してきていま す。

 少し補足しましょう。ITシステムは、大雑把に言うと『プラットフォーム』と言われるシステム基盤の上に『アプリケーション』が乗る 形で構築されます。ASPやSaaSは『プラットフォーム』と『アプリケーション』を一体で貸し出すサービスです。ところが最近はさらに進化して、『プ ラットフォーム』だけを顧客に貸し出す業者も出てきているのです。

 

優れた仕組み は誰もが欲しいもの

t27-2.jpg  これは何を意味するのでしょうか。いまひとつピンと来ないかもしれませんが、こういうことなのです。

  ビジネスの仕組みは通常『アプリ ケーション』で表現されます。競合他社と差をつけるなら、ビジネスの仕組みで差をつけなければなりません。ということは、『アプリケーション』には独自の 仕組みを反映しなければならないわけです。すなわち、『プラットフォーム』だけを提供する事業者はASPやSaaSでは実現し得ない『顧 客の競合優位のための独自システム』にまで対応しようとしているのです。

  さらに、それが優れたアプリケーションな のであれば、他企業には魅力に映るわけです。その場合、顧客企業はプラットフォーム提供業者を利用して、自社のシステムを上手に『売り出す』ことまで可能 になります。つまり、ITプラットフォームを持つ企業と、優れたビジネスシステムを持つ企業が、簡単に協業できるわけです。

  SaaS はサービス勝負です。だから提供業者側も、優れたサービスを提供したいと考えています。一方、一般企業は、オープンにしてよい部分を有償公開することで、 サービス事業者に早変わりして事業収益を得られるわけです。

 こうしたことは、これまではハードルが高くて現実的ではありませんでした。し かし、そういう企業が実際に、もう出てきています。

 例えば、通販大手の千趣会は、NECのSaaSプラットフォームを利用して、自社の通 販業務支援システムをサービス展開することを発表しています

 

優れたITとは「優れた仕組み」

t27-3.jpg  こういうケースが常識になるかどうかはまだ見えません。しか し少なくとも、これができる企業とできない企業の差は広がると思われます。

  その「差」とはすなわ ち、『独自の仕組みが作れる能力の差』です。企業のIT技術が優れているというよりも、ITを活用し た「仕組みづくり」のノウハウが優れていることが重要なのです。

  企業によっては、そういう外部サービスを利用して 自社には何も持たない、という選択もあり得ます。しかし、優れたITの仕組みを持つ企業には、これまで以上に加速度的に収益が集まるようにもなりえるとい うことです。

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