経営を成功に導くIT Vol.26 売れ筋にあえて注目しないショップの情報活用

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
今回は、購買情報 の分析活用を通して、情報の使い方も目的しだいであることを見ていきたいと思います。他社の事例を知ることは大事です。しかし、それはそのまま自社でもうま くいくとは限りません…

よくある購買分析

 多くの小売業では、販売データを用 いて購買分析を行っています。みなさんもよくご存じでしょう。いわゆる、『売れ筋・死に筋商品』の分析です。

 この目的はもちろん、売れ る商品をなるべく多く並べて欠品を防止し、売り上げを向上させることです。売れる商品が不足して売れない商品ばかり並んでいる状態は、小売業では罪 悪とまで考えられているそうです

 従って、購買分析による情報提供はできるだけタイムリーに行われることが求められます。その 最たる先進事例がコンビニです。

 コンビニには1店舗内に2000種類以上の商品が陳列されています。しかも、学校の前にある店舗と会社 の前にある店舗では、当然売れるものが異なります。また、新築マンションや新規の商業施設など、それまでなかったものが近くにできると、売れるものが急に 変化します。こうした状況に対応するため、コンビニ各社ではITを駆使した先進的な取り組みを行っています。各店舗の販売データや在庫データに、商圏デー タ・近隣のイベント情報・周辺の天気予報・テレビCMや商品販促情報などを加味して、店舗ごとに各商品の需要を毎日予測しているのです。
 

売れることがすべてではない!?

 コンビニの分析事例はいかにもすばらしいもののよう に見えますね。そこまで分析できれば、どんな小売業も成功できそうな気がしてきます。しかし、それは正しい解釈でしょうか?24-1.jpg

 よくよく世の中のお店を見渡してみると、売れ筋 だけを常に置いておくことが必ずしも正しくない小売業も存在することに気が付きます。

 例えばブランドショップはどうでしょう? ブラン ドショップでも人気商品を置くことは重要です。しかし、ブランドショップには「新しい価値を提案する」という役割もあります。そのため、売れ筋かどうかよ り新しい価値提案を行うことを優先した陳列も求められますよね。そうなると、商品の特性によって販売情報の使い方を変える必要が出てきます

  他にもあります。例えば、文房具や日用雑貨などの専門店はどうでしょう? こうした店舗を訪れる顧客は、珍しい商品や、他店で手に入らないグッズを求めて いることが多いと思われます。この時に売れ筋ばかりが置かれていると、その目的が果たされなくなるかもしれません。
 

情報は使いかたしだい

24-2.jpg このように考えれば、タイムリーに正確な分析をするのは大事な一 方で、その「情報の料理の仕方」は企業によって異なることが認識できます。

 情報活 用の成功の秘訣は、分析した情報をどう活かしたいのか、という最終目的をまず明確にすることです。その上で、分析結果を活かせる業務プ ロセスを工夫して設計してみてください。

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