中小ベンチャーにこそ必須の経営戦略 Vol.3 ワークライフバランスを経営戦略に組み入れて、強い組織を作ろう

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

まずは、これから創業を考える方、すでに起業して間もない方などは、とりあえず以下の項目をチェックして見てください。

  • WLBに取り組むことが、経営・人事方針として明らかになっているか?
  • 心身へ過大な負荷を与えるような長時間労働となっていないか?
  • 仕事と仕事以外の生活との両立を困難にするような恒常的な時間外・休日労働が行われていないか?
  • 休日・休暇など仕事から自由になる機会が確保されているか?
  • 家庭責任としてもっとも就業に影響を及ぼす要因である育児・介護について、仕事との両立に配慮がなされているか?
  • 社員の多様なニーズに配慮し、仕事以外の生活において自己実現を図ることを支援しているか?
  • 挨拶や笑いがあるか?
  • 陰口はないか?
  • メールでのやりとりが主で、対話がないということはないか?
  • 上司が部下の提言を受け入れているか?
  • やって当たり前で感謝がないということはないか?
  • 皆とにかく忙しく、常に「忙しい、忙しい」と口にしていないか?
  • 時間が守られる風土か?
  • 人を育てる風土があり、新しく入ってきたメンバーが放置されるようなことはないか?
  • 問題解決を組織としてではなく、常に個人ですることが求められていないか?
  • 協力して仕事をする風土があるか?

等々

これらは、筆者の関与先に対し、社員が生き生きと働き、良い会社にするための条件として、常々チェックしている項目の一部です。このような点をチェックし、意識、実践することで、形から入るワークライフバランスではなく、冒頭の企業のように無意識のうちに社員が生き生きと働き、真のワークライフバランスを実現し、結果として業績増大につながるといった大きなメリットがあるのです。

ここまで書いてきまして、 「自社には関係ない」 「中小ベンチャー企業はそれどころではない」 と思っている経営者の方がいるとすれば、もはやそういうレベルの話ではなく、筆者に言わせれば、どの会社にも特に中小ベンチャーにこそ必須の経営戦略レベルの話だと断言したいと思います。

つまり、従業員、もっと広く言えば、働く人の豊かさと多様さを保証できるようにしようという訳です。

中小ベンチャー企業がワーク・ライフ・バランスを考える上で重要なことは形=システムではなく、経営者や従業員の幸福感や活き活き感にあることになります。経営者も従業員も共に幸福感を得られて、毎日を活き活きと生活できる状態になることこそが中小企業ならではのワーク・ライフ・バランスではないのでしょうか。

そのためには、経営者と従業員が十分に話し合い、個々の企業の実状に合った効果的な進め方を考え、その進め方に沿って自主的に取り組んでいく必要があります。

もちろん、経営者や従業員の幸福感や活き活き感が充たされるだけでなく、企業の経済的な利益や企業価値の向上が図られなければ、その取り組みは意味を持ちません。

このいかにも簡単そうに見えることが実は実現されず、結果として組織が疲弊し、業績悪化、労働生産性低下を招いているケースがいかに多いことか!

悩んでいる経営者の方は、ぜひとも真剣に考えてみてください。

■中小ベンチャーのための真の「ワーク・ライフ・バランス」とは?

つまるところ、ワーク・ライフ・バランスというのは、

「義務である」
「福利厚生の一環である」
「コストである」

などといった堅苦しくネガティブなイメージではなく、

  • 優秀な人材の確保・定着を目指すために
  • 結果として人材コストの削減をするために
  • 社員のやる気やモチベーションをアップさせるために
  • 企業のイメージアップをはかるために
  • 企業業績・労働生産性を向上させるために

そして

  • 企業業績・労働生産性を向上させるために

といった、どの企業にも当てはまる「身近」で「前向きなもの」として捉えてみるべきだと思うのです。

これこそ正に、「経営戦略」! そう思いませんか?

仕事と生活の「バランス」と言った概念より、むしろ「シナジー効果」を創造するための働き方の見直しと言った方がイメージがつきやすいかもしれません。

すなわち、 ワーク・ライフ・「シナジー」【相乗効果】の実現こそ、 「社員が生き生きと働く・働けることで、会社が成長し、そして結果、社員も 成長する。といったシナジー効果を生み出すこと」 ということになるのではないでしょうか?

そう考えてみますと、実は経営戦略として、中小ベンチャー企業こそ、ワークライフバランスが実現しやすい形だと言うことが言えると思うのです。

その理由には、

①「能力」を評価し、キャリアロスが少ない
②役職の階層がフラット
③職住近接の職場環境
④職場に子どもを連れてこられる雰囲気
⑤女性活用をめぐる多様性
⑥社員に対し、顔の見える距離で柔軟な対応ができる
⑦結果として社員が生き生きと働き、企業の業績向上が図られる

といった事が考えられます。

ぜひ、中小ベンチャー企業だからと言って、ワークライフバランスは無縁でコストのかかるものと言った考え方は、払拭して頂きたいと思います。

繰り返しますが、むしろ中小ベンチャーにこそ「ワークライフバランス」は必須の経営戦略だと言うことです。

■福井県はワークライフバランス先進県?

共働き率が全国最高なのはどの都道府県かご存じですか? 実は福井県です。

福井県では、県内の中小企業約300社を対象に、社員が在職中に持つと見込まれる1人当たりの子供の数を調べた結果、上位7社はいずれも社員50人未満の中小企業だったと発表しました。

調査を監修した内閣府男女共同参画会議専門委員で、東レ経営研究所の渥美由喜研究部長は「中小企業ほど子育て支援が遅れているとの認識が強い中、興味深い結果が出た」としています。

この調査結果は、正に筆者がこれまで主張してきたことと一いたします!

つまり、ベンチャーや中小企業だからワークライフバランスに取り組めないというのは、事実ではありません。むしろ、上記の①~⑦のような中小ベンチャー企業の特性を活かせれば、そしてもう少し言うならば、中小ベンチャーこそ経営者の「やる気」によって、ワークライフバランスの達成はなされやすい!ということの証明だと思います。

今後も引き続き中小ベンチャー企業の「ワークライフバランス」実現に対して提言、支援して行きたいと考えております。

ぜひ、中小ベンチャー企業の経営者様、人事ご担当者様等には、福利厚生ではなく経営戦略の一環として、ワークライフバランスを捉え、実現させて頂ければと思います。

何かしらお悩みの企業様は、弊社まで、お気軽にご相談ください。

ヒューマネコンサルティング株式会社
代表取締役
阿部重利
TEL:048-940-0736
FAX:048-940-0741
MAIL info@humane-c.co.jp
☆URL http://humane-c.co.jp

バックナンバー

中小ベンチャーにこそ必須の経営戦略

Vol.1 がんばってもがんばっても事業が成長しない理由

Vol.2 ワークライフパランスは勘違いされている。

Vol.3 ワークライフバランスを経営戦略に組み入れて、強い組織を作ろう

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